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くらいよる。わたしたちはにげだす。はしって、はって、つかれきっていきついたさきに、ひかりがみえる―アメリカ南部の黒人奴隷が命がけで北部へ逃亡する様子をえがく、大迫力の絵本。
著者等紹介
エヴァンズ,シェーン・W.[エヴァンズ,シェーンW.][Evans,Shane W.]
米国ミズーリ州出身。大学を卒業後、アフリカ、南米、アジア、ヨーロッパなどを旅し、さまざまな文化の影響をうけて独自のスタイルを作りあげた。イラストレーター、ウェブ・デザイナー、グラフィック・デザイナーとして活躍しながら、子どもの本も手がけ、高い評価を受ける
さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京生まれ。出版社勤務を経て、現在はフリーの編集者・翻訳家。「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
33
アメリカ南部の黒人奴隷の逃亡劇の絵本。自由を求めて奴隷からの脱出。見つかれば悲劇という哀しみ。途中で休んだり匿う人もいたり。考えれば、逃げたその先の自由に今以上の幸せが待っているとは限らない。しかしここよりはマシだと思わせる境遇であったという事なのだ。逃げる事が闘いだったのだ。こういう闘いが世の中を進歩させたのだと思う。社会は過去に退化してはいけない。2014/08/06
Maiラピ
30
アメリカ南部の黒人奴隷が命がけで逃亡する様子を力強いイラストと、必要最小限の言葉でえがいた、大迫力の絵本。心に訴えかけてくる色と構図、そして短い言葉。2012/06/20
たまきら
29
短いことばに、これだけの力強さとわかりやすさが。人として生きるために、わたしたちは時に生まれた場所から離れなくてはいけない。命をかけることになる旅。けれどもたどり着いた先には…。自由の素晴らしさ、自分自身であることを否定されない喜びに満ちたおしまいのページに見ほれました。2023/12/24
けんちゃん
23
読友さんのご紹介本。19世紀のはじめ、アメリカ南部から黒人奴隷を北部やカナダに逃がす「自由への地下鉄道」という名のネットワーク。これで3万人近くの奴隷が解放されたという。黒人奴隷の過酷な状況や差別に関する作品を何冊か読んでいるが、奴隷解放を助ける強力なネットワークがあったことは初めて知りました。闇に乗じて動く黒人の目のインパクトの強さが印象的。言葉が少ない分、目力で迫ってくる感じです。2012/09/14
ケニオミ
14
自由を得るために、闇に乗じて逃げる。逃がそうとする人も、捕まえようとする人もいる。既存の制度に反しているとしても、おかしいと思うことに加担しないだけでなく、積極的に反対の行動を採る勇気と強さが欲しい。2012/06/18