内容説明
美少女ナオミの若々しい肢体にひかれ、やがて成熟したその淫蕩なまでの底知れぬ魅力のとりことなった譲治。奔放なナオミは譲治の背に跨って部屋中をめぐる。女の魔性に跪く男の焦燥と惑乱と陶酔を描く谷崎文学の傑作。
著者等紹介
谷崎潤一郎[タニザキジュンイチロウ]
明治19年(1886)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝大国文科に入学するも、のち中退。明治43年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和40年7月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和24年には、第八回文化勲章を受けた。昭和39年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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mitei
231
私の正直な感想としては昔の作品ながらこんなにも女性に尻にしかれる作品をここまで赤裸々に描き上げるのはすごく感じた。河合がやたら優しくしてて今の軟弱と言われる男性像にも近く感じた。2015/01/25
ミツツ
28
こんな愛の形もあろうかと。二人の間の事は当人同士にのみ通じるものがあると思う。私の年齢で培った頭脳に蠱惑的な容姿があったら、ナオミのように誰かをメロメロにしてみたいかも(笑)2020/07/06
jamko
13
少女を自分好みの女に育てたい、奔放な女に振り回されたい、そんな夢が叶ってよかったね…どうぞ死ぬまでナオミに尽くしまくってください…(´ー`) タイミングよく無料公開されてた今日マチ子の漫画化もエロチックですごくよかった。2016/03/05
さやか
11
なんとも見たくもないものを見てしまったような、怒りにも似た感情を抱いた。読んでいる間中悶えていた。ナオミに溺れていく譲治には目も当てられない!しかしこの二人はどんどん墜ちていくように見えて、幸せな二人なんだろう。お互いがお互いを必要としていて、一見馬鹿げて見える関係はいわゆるイチャイチャなのだ。こんな小説にはなかなか出会えない、谷崎潤一郎の魅力か。他の小説も読みたいし、二周目も読みたい。色々な人の感想も聞いてみたい。2020/10/25
あっきー
11
✴3 イマドキの小説を読んでいるとこれはあり得んなということがあるもんだが、これは戦前の話なのにほとんど無い、そんなところはやっぱり上手いと思った、東海テレビの昼のどろどろエロエロ変態ドラマにしたらと思う、もちろんナオミ役はエリカ様ではなく広瀬すずだ2017/02/01
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