内容説明
ダニエルはいつも、心にうかぶままに絵をかいていました。おどるコウノトリ、おしゃれをしたキツネ…、空想のつばさをひろげると、ふしぎな絵がつぎつぎに生まれてきました。ところがダニエルのおとうさんには、その絵がぜんぜん理解できなかったのです。相手をおもいやり、受け入れること。自分らしい創造の世界を大切にすること。そんな気持ちがえがかれた、ちいさな家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
63
ダニエルは、絵をかくのが大好きな女の子。写真家のお父さんは、ダニエルがかく、ちょっとふしぎな絵を見て「空とぶカエル!鳥にシルクハット!目に見えるとおりにかけないなら、写真にしたほうがいい」なんて言います。でも、お父さんの仕事がうまく行かない時は、ダニエルの絵が、お父さんを元気にするのです。そんなある日、病気になってしまったお父さんのかわりに、写真をとりに雪のふる町に出かけたダニエルに、すてきな出会いがおとずれます。情熱と一途な願いが、小さな女の子の道を切り開く、希望に満ちた素敵な絵本です。2021/10/31
tokotoko
47
GW中に実家へ父に(母にも!)会いに行く予定です。たまたま図書館で見つけた本は、父と娘の物語でした。絵が大好きで、風変わりではあるけれど、かなり上手に描けるダニエル。けれど、お父さんはプロの写真家。期待に添えず、悩む日々です。そんなある日、お父さんが熱を出し・・・。父の期待に添えてなくて、心苦しいなぁー!って思っている方に読んでみてほしいです。自分の代わりにね、ダニエルががんばってくれますから!そして、父の本当の気持ちもね、ちょっぴり感じることのできる1冊ですから。2015/04/30
きりこ
42
空想の翼を広げたダニエルが描く絵は動物のような人間。写真家の父親には理解してもらえない。病気になった父親を看病し、写真機を担ぎ雪の中を仕事に出かける健気なダニエル。写真が上手く撮れなくて落ち込むダニエルは出会った画家のカミューユに絵描きとしての素質を認めてもらう。バーバラ・マクリントックの父親も写真家で、彼女の絵にとても理解を示し励ましてくれたので、彼女は自分の創造の世界を大切にできたそうです。扉に「父と母に」と献辞があるように家族への愛と感謝をこめて描かれた作品なのですね。ファンタジックな絵が美しい。2014/01/06
sui
26
ダニエルの笑顔のために一生懸命働くお父さん、お父さんを支えようとするダニエルの一途さ。拭おうとしても、決して消えなかった彼女だけの素晴らしい世界。物語と、最後の作者の言葉に、涙がこぼれそうになりました。すてきな絵本だった・・・。2016/11/11
小夜風
25
【図書館】ダニエルの描く絵の素敵なこと!空想のつばさを広げて次々にふしぎな絵を生み出します。ところが写真家のお父さんは「目に見える通りに描けないなら写真にした方が良い」と、ダニエルの絵を全然理解出来ないようなのです。私もファンタジーが大好きなのですが、空想の世界を全く受け付けない現実的な人っていますよね。それは構わないけど、否定されるのが悲しいです。でもダニエルのように自分らしさを大切にしていきたいな。2014/09/29