内容説明
想像してごらん。誰もいない廊下の奥から不思議な電車がやってきて、あなたを冒険の旅へつれだしてしまう、そんな夜を…。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、眠りとめざめのあいだの時間。想像力にみちたイラストレーションが、見るものを奇妙な世界へさそいこむ。
著者等紹介
トムソン,セーラ・L.[トムソン,セーラL.][Thomson,Sarah L.]
作家。ニューヨーク在住
ゴンサルヴェス,ロブ[ゴンサルヴェス,ロブ][Gonsalves,Rob]
カナダのトロントに生まれる。シュールレアリズムに影響を受け、特にレメディオス・バロ、ルネ・マグリットに感銘を受ける。大学卒業後、建築家として働くかたわら、舞台のセットや壁画を手がける。1990年、トロント屋外美術展で絶賛され、本格的な創作活動を開始、高い名声を得ている
金原瑞人[カネハラミズヒト]
岡山県生まれ。法政大学教授、翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
212
何かが浮かび上がり覆われるような、芸術性豊かで幻想的な絵本。祈り続けていると刻が止まる永遠の世界のよう。大地も大海も大空も、そして宙までもが一つになり、その境が消えて何処へでも越えていけるかのように、過去と未来と今をつなぐ。透ける過去、聴こえる未来、今がある限りは終わらない夜。漂う気を変えるほどの絵の迫力に少し後退りする人も、逆に守られていると感じる人もいるのだろう。迷い込んだ森は奥へ進むほど暗くなるはずなのに、何処か遠くから灯されている安心感がある。微かな光さえあれば、あらゆる存在を照らすことができる。2024/11/17
nuit@積読消化中
196
繰り返し何度みても飽きのない画集。“想像してごらん。誰もいない廊下の奥から不思議な電車がやってきて、あなたを冒険の旅へつれだしてしまう、そんな夜を…”ロブ・ゴンサルヴェスの絵にセーラ・L・トムソンの詩が重なり、眠れない夜にゆっくりと夢の世界へ・・・(¦3[▓▓]2017/11/05
匠
166
ロブ・ゴンサルヴェスのトリックアートな絵が素晴らしく、この絵の数々にイメージを刺激された作者が詩を添えたというこの絵本、まるで魔法にかかって夢でも見てるような世界観だ。真っ白なシーツのベッドが敷き詰まった雪野原、キルトのような畑、線路が敷かれた廊下、農夫の弾くヴァイオリンに耳を傾ける真夜中の向日葵たち、星空に見立てた街の夜景、月の光に浮かび上がる物の形や人の姿・・イメージは溢れるばかり、まだまだ夜は終わらない。2014/07/28
Willie the Wildcat
162
幻想的な絵。画集ともいえるかもしれない。1ページ1ページ、隅々まで楽しめる。印象深いのは「雪のシーツ」と「向日葵の人々」。どちらも不思議と”温かみ”を感じてしまう。昼間読んだが、夜寝る前のほうが、夢を膨らませられるかも、とも思う。2012/05/13
とん大西
131
妖しいのだけど、ちょっとブキミなんだけど何故だか素敵で楽しい。読んでいて自然と口角が上がってきます。昔、教科書に載っていたエッシャーの騙し絵のような不思議な世界。それも夜、夜、夜…。深い静寂に溶け込みながらも、蠢いている彼ら。こんな世界へのときめきなのか畏れなのか、童心にかえったようなココロ持ち。良書ですね😃2022/05/22