内容説明
アラジンは、ひとめ見たお姫さまにたちまち心をうばわれてしまいました。家に帰るなり、おかあさんに、お姫さまなしでは生きられない、どうか皇帝に結婚を申しこんでくれ、とたのみました。お母さんは思わずわらいだしましたが…。アラビアンナイトの華麗なファンタジーを、イメージの魔術師ル・カインが彩りあざやかに絵本化しました。
著者等紹介
ラング,アンドルー[Lang,Andrew]
1844年~1912年。スコットランド生まれの作家。詩・翻訳・昔話の再話・歴史研究・小説と広範囲に活躍した。また、イギリス民俗学会の設立に力を尽くし、「ラング世界童話全集」(全12巻、川端康成・野上彰訳、偕成社文庫)がある
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
134
タテ30cm,ヨコ23cmの大判絵本。本書の第1の特徴は、まずなんといってもアラベスクの幻惑とシンメトリカルな陶酔感にある。そして、ここに展開されるオリエンタルなムードに浸るのだ。イスラム美術では具象的な人物像の造形は禁じられているのだが、ここでは登場人物たちも見事に様式化されて絵の中に溶け込んでいる。色調は全体にやや暗く、絵の全面に薄墨を流し込んだような技法が用いられているようだ。そして物語は、あの懐旧を誘う「アラジンと魔法のランプ」。そうだった。あんな風にしてランプを奪われるのだった…と、しみじみ。2013/12/03
KAZOO
127
ル・カインのまだ読んでいない本を捜し出して時たま読んでいます。これは私の好きなル・カインの絵です。若干暗めの赤系統の絵で中世の細密画のような感じです。魔法使いがすごい感じでいかにも典型的な昔話の様子が現れている感じです。絵を眺めているだけで至福のときです。2017/10/24
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
60
ペルシャの国の貧しい仕立て屋の息子は魔法のランプを手に入れて、皇帝のお姫さまと結婚するという夢を果たすが……。『アラビアン・ナイト』の一篇として有名な幻想的な物語だが、アラビア語の原典には収録されていないそうだ。子どもの頃読んだ印象とは少し違っていて、共感できる人物が全くいなかった。身分の違いを超えてアラジンがお姫さまに恋するのは良い。でも、プロポーズを母親に頼むとはどういう了見? ストーリーは全篇欲とエゴにまみれているけれど、エロール・カイン描くアラベスク(アラビア風)な絵で全てを許せる気がする。2016/08/17
♪みどりpiyopiyo♪
56
むかしペルシャの国にアラジンという若者がいました。ある日、みしらぬ男がアラジンに声を掛け… ■エロール・ル・カインの美しい絵本を読みました。有名なお話だけど、あれ?ちゃんと読んだことなかったかな? ■ランプの力で多くを手に入れたアラジンの一目惚れストーリー。親の気まぐれに振り回され、意思を顧みられることもなく結婚するお姫様は最後まで名前も出てこない。昔話の王道ですね。■アラビアンナイトの華麗な一幕を、イメージの魔術師ル・カインが鮮やかに描いた 異国情緒に溢れる一冊でした ( ' ᵕ ' ) (1981年)2019/09/17
seacalf
47
アンドルー・ラング版の『アラジンと魔法のランプ』のお話は自分の知っていたストーリーとは若干違うが、この絵本はエロール・ル・カインの絵を楽しむもの。イメージの魔術師と呼ばれた彼、『キャッツ』など他の作品もぜひ観賞してみたい。2018/04/07
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