内容説明
わたしにはとくべつなともだちがいる。わたしがこまったときはいつでも、たすけにきてくれる…。こどくな少女の心をささえるともだちとは?バーニンガムがやさしいタッチで描きだす、少女の心の物語。4歳から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
83
孤独な少女の心の中に住む友だち〈アルド〉。うさぎの姿をしているけど、他の人には見えないし、声も聴こえない。だから、彼女はアルドのことを誰にも話したことはない。困った時だけ来てくれる一番大切な秘密の友だち。少女とアルドが一緒にいる時、背景には泣きたくなるような空がある。黒く塗りつぶされた雲の合間から血のように赤い空。黄砂の嵐のような空。黒と青の静かな空。他人に見えないからって「いない」と決めつけたりはしたくない。彼女の心が穏やかなのは大切なこと。でも、胸が痛い。翻訳は谷川俊太郎さん。1991年12月初版。2015/07/26
パフちゃん@かのん変更
44
自分だけの秘密のお友達。私は体験したことはないけれど、引っ込み思案の子だったら心にこんなお友達を持っていたら心強いだろう。読み聞かせというよりは、そういう引っ込み思案の子が見つけて自分で読んでみたらいいと思える絵本。2018/04/17
ゆうゆうpanda
33
図書館の棚で表紙がちらっと目に入り、思わず引き抜いてしまいました。この絵本らしからぬ暗い色はなに?と。ジョン・バーニンガム作、谷川俊太郎訳。これは何かあるなと。私が小さい頃、一人の時間の寂しさを紛らわせてくれたのは子羊の縫いぐるみでした。鼻がピンクだからモモちゃん、汚れて肌色っぽくなってもモモちゃん。懐かしいです。この女の子がアルドに助けられて一緒に過ごす時間の背景はとても暗い色です。誰にでもいるものでしょうか?小さい頃の大切な友達。私が思い出すのは白とピンクのモモちゃん。それって幸せなことだったのかも…2016/02/18
リリー・ラッシュ
30
お気に入りさんのレビューに共感し、手に取りました。実際に読んでみて、私が感じたことは、訳者あとがきで谷川俊太郎さんが仰ってるように、大人になった私たちにはアルドはもう来てくれない。でも、アルドの代わりに自分自身が自分を守っている。私はそう思います。自分の心は自分以外の誰かに守ってもらったり、幸せにしてもらうことはできない。自分で自分の心を守り、幸せを感じられるかどうか。もしかして大人になるとアルドが自分の中にいる自分自身になるのかな🤔文字の少ない絵本でしたが、私には深かったです。2021/05/22
ヒラP@ehon.gohon
26
投稿レビューを読んでいて、それぞれにアルドに対する思いがあることを感じました。 さびしいとき、つらいとき、孤独な時、ふと自分になったとき、だれか自分のそばにいて欲しい。 そばにいて自分を支えてほしい。 皆の共通事項なのです。 それが自分以外の誰かであれば、必ずしも自分のことばかりを考えてはくれない。 本当に必要なのは、自分の心に住む友だちなのかもしれません。 さりげない絵本ですが、奥深い絵本だと思います。2013/12/13