内容説明
「わしのつとめは、あたたかい心をくばること。けれど、むかしにくらべ、地球は旅行がしにくくなったわい。」クリスマスプレゼントを子どもたちにくばるため、サンタ・クロースの1年はあっというまにすぎてしまいます。いろんな国にていしゅつする書類は、50万まいもひつようですし、リストどおりにプレゼントがつくられているか、かくにんしなくてはいけません。旅行にでれば、ごうとうにおそわれそうになったり、駐車いはんでとりしらべをうけたり…。サンタは、だんだんかなしくなってしまいました。レスリー・ブリカスのウイットに富んだ文章にあわせ、ル・カインがユーモラスで美しい絵を描き、子どもも大人も楽しめる本となりました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
279
お話の作者はレスリー・ブリカス、訳は『アリス』などの翻訳もある詩人の北村太郎、そして絵はエロ-ル・ル・カイン。もちろん、ル・カイン目当てなのだが、この人の絵はいつも絵本ごとに違っている。今回は、ファルスタッフのようなサンタ、アーサー・ラッカムのタッチを思わせる小人たち、E.Tのラストシーンを思い出すトナカイの一行とサンタ、そして珍しいニューヨークの都市風景と盛り沢山。ただ、サンタはあまりにもそのイメージも記号性も固定されてしまっているために、ル・カインの自由で幻想的なイメージの飛翔に乏しく、驚きは少ない。2013/12/05
KAZOO
112
エロール・ル・カインの絵によるサンタクロースの話です。困ったような顔のサンタがいかに世界がひどくなってきているかを嘆いています。それが1993年問題というのも面白いですね。書いてあることは大人にはわかるという気はするのですが、子供の絵本にこのようなことを書いても果たして理解できるのでしょうか?ただ面白い絵が結構あるので単純に絵を楽しめばいいのかもしれません。2017/06/12
kaizen@名古屋de朝活読書会
108
クリスマス絵本】1993年になって、サンタがクリスマスイブで困り事。こまったことだらけで、結局何に困ったのだろう。 2014/12/10
yomineko@ヴィタリにゃん
75
ネットの調子が悪く、こちらを登録したのにされていなかった😨1993年も既に31年前となり、サンタクロースがプレゼントを配り始めた頃とは比べ物にならないほど、世界情勢が悪化。愚痴もこぼしたくなる、サンタクロース。全く楽しくないクリスマスの本がかえって新鮮✨✨✨2024/02/20
♪みどりpiyopiyo♪
61
「わしのつとめは、あたたかい心をくばること。けれど、むかしにくらべ、地球は旅行がしにくくなったわい」 ■世情に翻弄され、サンタさんはすっかり悲しくなってしまいました。ここまで夢も希望もないサンタさんのお話を読んだのは初めてです。ぼやきっぷりも他の追随を許しません。■うん、大変だね。どうしたらいいんだろね?…というお話です。絵本だけど文が長くて世知辛いから、読むなら中学生くらいからかな? ル・カイン、こんな本も描いてたんだ。(1987年)2018/12/06