感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
137
アンデルセンの童話なのですが、結構絵本にしては文章が多く楽しませてくれます。エロール・ル・カインの絵がこのはなしによくあっていて、雪の女王の全体像が見事です。絵を見ているだけでも楽しくなります。2017/05/03
ヴェネツィア
116
タテ32cm,ヨコ23cmの大判サイズ絵本。アンデルセン原作(ナオミ・ルイス文)、絵はエロール・ル・カイン。ただし、典型的なル・カインの絵ではない。もっとも、それは勝手な思い込みでル・カインの絵ははるかに多様なのかも知れないが。全体に繊細な線よりも、マッスで描かれている感じだ。また、2枚目の絵は構図がブリューゲルの「雪中の狩人」(ウイーン美術史美術館)にそっくり(カラスが飛んでいるところまで)だ。山賊の娘の衣装などは鮮やかな赤が用いられているが、全体には地味目。雪の女王のクリスタルを際立たせてはいるが。2013/11/30
♪みどりpiyopiyo♪
57
ずうっと昔のこと。ある大きな町に、ふたりのまずしい子どもがすんでいました。 男の子はカイ、女の子はゲルダ、といいました。■アンデルセンの『雪の女王』初めて読みました。なるほど、これは恐ろしくて美しいお話。■美しい女王の冷酷さと 氷の世界の過酷さを感じさせる絵はエロール・ル・カイン。構図やモチーフは北欧のルネサンスやアールデコの絵画を思わせ、デフォルメされた花や木々が刺繍の図案のようでもあります。画風を模索してたのかな? ■ゲルダが出会うさまざまな人々とのエピソードがとても印象的でした。(1979年)(→続2018/10/04
ちえ
44
ル・カインの絵が見たくて閉架から出してもらった。繊細な絵がともかく素晴らしい。お話は原作とは違うところもあるがカイを探すゲルダの〈行きて帰りし〉が良いなぁ。二人で戻ったら夏、というのも。悪くない魔女がどう見てもゲルダの邪魔をしたり、甘やかされてわがままな山賊の娘が優しかったり、というのがなんだか可笑しい(#^.^#)とっても魅力的な絵本だ。2021/02/07
小夜風
34
【図書館】エロール・ル・カインの描くアンデルセン童話。「アナと雪の女王」の元になったお話かと思ったのですが、全然違うみたいですね。まず登場人物が男の子(カイ)と女の子(ゲルダ)です。雪の女王に連れ去られるカイ。カイを探すために広い世界へと飛び出していくゲルダ。こんな小さな女の子がたったひとりで「指輪物語」並みの冒険をしちゃうのが凄い!エロール・ル・カインの絵は、心まで凍ってしまう冷たい場面と、凍った心もとけてゆく暖かい場面の対比が素晴らしいです。2014/03/28