内容説明
あるひ、わかいわにが、さるをいっぴき、つかまえてやろうと、けっしんしました。「さるは、すばしっこいだろう。でも、おれは、それよりずっとりこうなわになんだ」と、わかいわには、としよりのものしりのわににいばっていいました。わには、マンゴーのきのいちばんたかいえだによくとびうつっては、そのさきでうれたみをたべているさるが、きにいりました。「あいつこそ、おれのたべたいやつだ!」そうわには、ひそかにおもいました。ところが―そのさるは、そうはおもってくれませんでした。
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- 和書
- 梁川星巌 日本漢詩人選集