出版社内容情報
マグノリアはもうじき10歳。夏休みなのに旅行のあてもなく、両親のランドリー店でかたっぽだけのくつしたを見つけては、「くつしたボード」に掲示している。そんなとき、引っ越してきたばかりのアイリスに出会い、街の案内がてら、迷子のくつしたの持ち主をさがすことにーー。行くあてのないふたりの「ニューヨークくつした探偵団」が誕生した!
アメリカで一大センセーションを巻き起こしたベストセラー・ノンフィクション『私の名前を知って』の著者シャネル・ミラーによるはじめての児童書。ユーモラスであたたかな、友情と希望の物語。ニューベリー賞オナー作品。
【目次】
内容説明
迷子のくつしたの持ち主をさがして、ニューヨークの街を歩きまわる!2025年ニューベリー賞オナー受賞作。
著者等紹介
ミラー,シャネル[ミラー,シャネル] [Miller,Chanel]
1992年生まれ、作家・アーティスト。アメリカ人の父と中国人の母のもとに生まれる。タイム誌「次世代の100人」、フォーブス誌「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれるなど、話題の人となった。本書は児童書デビュー作で、イラストも手がけた。発売後すぐニューヨークタイムズベストセラー入りをはたし、2025年ニューベリー賞オナーを受賞した
ないとうふみこ[ナイトウフミコ]
上智大学外国語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Incisor
5
自分をとりまく人たちに目を向けてみたら、今まで気づかなかったことがたくさんあった。ルーツやバックグラウンド、何が好きで、何を大切に生きてきたか。そのひとつひとつは、実はゆるやかにつながっていて、見えないところで自分をあたたかく支えてくれていた。主人公のマグノリアと、友達になったばかりのアイリスが、ランドリーで落とし物になっていたくつしたの持ち主をさがしあてようと、ニューヨークの街をかけまわった夏休み。あらためて今いる地域にも心を向けた。2025/09/11
Olga
3
片方しかない靴下の持ち主を探す話? おばかな話なんだろうなあと思って読み始めたら、思いがけずいい話だった。マグノリアのお母さんの名前の話や、アランやアスペンが抱える悩みにうんうんうなずいていたら、最後にトリプルアクセル登場!2025/09/10
くるり(なかむらくりこ)
3
父さんと母さんがやっているランドリーに残された片っぽだけの迷子の靴下たち。夏休みのあいだ、することのないマグノリアは、友だちになったばかりのアイリスとふたりで靴下の持ち主を探すことにする。なんてささやかな夏休みの冒険……いいえ、とんでもない。靴下が教えてくれる人生の喜び、悲しみ、悩み、そして希望。おかしくてあったかくて優しくて切ない。答えではなくて励ましをくれる。途中からはずっと泣き笑いで読んでいた。ほんとうに良いお話。2025/08/05
chicoco
2
ランドリー店に落ちていた誰かのくつしたたち。マグノリアは友だちになったばかりのアイリスと〈ニューヨークくつした探偵団〉となって持ち主さがしをすることに。模様や材質からひらめいたことをもとにさがしはじめるわけですが、そうすぐには見つからず、それがおもしろいのです。作者自身による素(す)の表情を描いたオモロかわいい挿絵の魅力もあいまって、いろんな人がいることにあらためて気づき(印象と実情は同じではない!)、人を好きになれる、なりたいという気持ちになる素敵な本でした。2025/08/31
さといも
1
夏休み、ニューヨークで暮らす10歳のマグノリアは両親の営むクリーニング店で暇を持て余していた。唯一の楽しみは、お客さんが忘れていった靴下の片一方をコルクボードに留めて、持ち主が現れるのを待つこと。ある日、お母さんの古い知り合いの娘、アイリスと出会ったマグノリアは、2人で靴下の持ち主を探すことに。その中で、マグノリアは知っていると思っていたご近所さんや母の違う一面を知り、それぞれの悩みや生きがいなどを知る。 読みやすく、読後感も良い。マグノリアが成長していく様も自然に描かれている。移民、差別、ジェンダー2025/09/19