白泉社文庫
メッシュ 〈第3巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784592883043
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaoru

74
萩尾作品ではあまり話題にならないが傑作だと思う一篇。富裕な家庭に育ち両親の不仲に苦しむ若者メッシュのパリでの成長物語。傷ついた子供であると同時にトリックスターである彼は、時に人々の欺瞞を暴く存在だ。お人良しの画家ミロンや周囲との交流を通じ彼は成長していくが、萩尾さんの絵も最高に美しい時期ではないかと思う。『シュールな愛のリアルな死』のラストでは、彼を追うミロンと父サムソンとの間でホームに取り残されるメッシュを光が包んでいるように見える。彼の青春の終わりと惑い、人間としての自立を暗示しているのだろうか。→2022/04/29

ふりや

11
最終巻。パリの街で様々な人たちと交流するメッシュとミロン。仲が上手く行かない姉妹に翻弄されたり、デザイナーに見初められファッションショーに出演したり。最終話では別れた両親と自分の出生の秘密が明らかになり、実の母に会いに行くがそこでトラブルに巻き込まれます。自分の存在意義や散り散りになった家族の間で揺れ動く心情が非常に繊細に描かれています。そして余韻を残すラストのシーン…メッシュは過去と向き合い生きていくことができるのでしょうか。パリの雑多な雰囲気や相方のミロンなどキャラも魅力的で、とても面白く読めました。2020/10/02

冬峰

4
ここで終わるのか〜!でもはっきりと決着をつけるより、これがいいのかも。 この巻は怖い女性が多くて、バンドマンの追っかけをするルーの姉ポーラがぽわぽわして怖いなーと思ってたら、精神が病んでいるメッシュの母親マルシェ。これを見たら一巻の父親の横暴っぷりの方がまだ理解しやすい。とはいえメッシュの母親や義兄のいる家も、ミロンの故郷と同じくらい酷くて肩身が狭いな…。そんな中、ラストに出てくるカティの安心感。この人の動じない、どっしり構えた感じは『感謝知らずの男』のレヴィが言う理想の女性そのものでは?2023/06/30

海音

3
分かり易く何から何まで開示するのではなく、「彼はこれからどう生きるのか」と思わせてくれるラスト。綺麗に終わったハイ終了〜ではなくて、これからも簡単ではない人生が続いていくのだろうという終わり。ここから、また始まっていくとも言い換えられる。【親子】【大人と子ども】は切り離すことは出来ない。良くも悪くも必ず繋がっている。でも皆1人の人間であるという確立した存在であること、命は一つで分けることも含むことも出来ない。【あなた】【わたし】という一つずつで息をしている。2024/04/16

呑芙庵

3
最後のシーンがとても美しかった。いつも並行な線はどこかで交わるのを待っている。2017/08/05

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