内容説明
タランチュラ出身でハイクラス種屈指の名家に生まれた七雲陶也は、空虚な毎日を送っている大学生。退屈を紛らわすためのクラブ通いにもうんざりしていたある日、陶也はロウクラス種の郁と出会う。カイコガという起源種のせいで口がきけず体も弱い郁は、陶也のことを好きなのだという。大のロウクラス嫌いの陶也は、手ひどく捨ててやるつもりで郁と付き合うことにするが、どんなに邪険に扱っても健気なまなざしを向けてくる郁に、いつしか癒されていることに気づき!?究極の擬人化チックラブストーリー登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみみ@ヒプマイ沼
66
もー、何度も泣かされました!!BLでこんなに泣いたのって初めてかもしれない。前編の病室でのシーンから、後半でのモノローグ全般にかけて、胸のズキズキが止まらなかった。切なすぎるよぅ、樋口先生っ。゚(゚´Д`゚)゚。名言も、たくさん見つけました。まだ今年が始まって一ヶ月と少しだけど、マイベストBL2013に確実にランクインでしょうな!冒頭のあたりで、陶也のあまりの辛辣さにめげそうになりましたが、読み進めてよかった。この二人には、一緒に過ごせる間、幸せな時を過ごしてほしいです。同人誌からの文庫本化に感謝〜〜!!2013/02/06
たにしぃ
43
シリーズで一番切なかった…泣けた。序盤から最後まで泣きっぱなし。カイコガだから口が退化して話せないという設定からしてやばい。弱いロウクラスとそれを守るハイクラスというお決まりパターンなのは読者も分かってるので、その中にどんな話を盛り込むかでどんどん続きそう。また続巻が出るなら読みたい!!それにしてもあらすじ知らなかったので陶也が出てきたときには驚いた。しかも主役。今回は、好きなキャラ兜が再登場してたのも嬉しかった。2013/02/17
諏訪 聖
31
愛の巣へ落ちろ!の悪役陶也が攻め。・・・なので「愛の巣へ落ちろ!」は読んでおいたほうが良いです。さて、一気に読んだ本作。前二作と受けの性格が違う気が。前半が主に攻め視点というのもあるけど本当に消えてしまいそうな儚い雰囲気なのに単純な健気受けっていうわけでもなく。陶也が郁に傾いていく心理も手に取るように分かった。というわけで今作も涙涙でした。翔くんのイラストが見たかったなぁ…。あと、あのノートが二人の手元に戻ることを祈って。2013/01/22
nono
29
擬人化シリーズ第3弾。カイコガの郁。一途さがたまらない。寿命を見据えてでも前を向いて欲しい。切なくてウルウルしました。2015/01/28
青龍
28
電子書籍にて。虫の擬人化シリーズ3作目。陶也が少しずつ変わる様子がいい。それにしても、「カイコガ」とは、すごい設定。子供の頃、市内には養蚕農家があって、何回かカイコを見に行ったことがあるけど、かなり後に、カイコの成虫は様々な機能が退化していて、カイコという生物がただ絹糸を産するためだけの存在と知った時はショックを受けた。幼虫の時はただひたすら桑の葉を食べ続け、成虫になるために繭を作れば、殆どの生体が繭ごと茹でられてしまう... 感情があれば、死について達観せざるを得ない弱さが、郁に生かされている。2015/08/09