内容説明
弟の仁志が死んだのは自分のせい―。自責の念に駆られ、満月の夜が来るたびに男に身を任せて自らを戒めていた孝志。そこで出会った松田になぜか心を奪われ、同じ男とは二度と寝ないと決めていたのに再び会う約束をしてしまった。体の相性が良すぎることを盾に松田からも熱心に口説かれ、孝志は次第に自分を律することが難しくなっていく。深い快楽を覚えさせられて、孝志は罪を背負う自分が満たされていいのかと戸惑う。しかし、激しい情欲と悦楽に抗うことができず、松田の恋人になると決意した矢先、彼が突然「仁志は俺だ」と言ってきて…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なみ
14
復讐したら仕返され……これってどちらも幸せじゃない?受の心は壊れたけど壊れた人格では幸せなのか……2016/04/28
しば
10
お名前は知っていましたが、初読みの作家さん。暗いお話をリクエストされた、とのこと。暗いですw。私はこういう暗さも好きなのでワクワクしながら一気に読みました。読後感はスッキリしないので、読者を選びそうです。大昔の剛しいらさんの『帰宅』(だったかな?)のようなテイストです。2013/06/02
あまね
10
初めて読む作家さん。弟×兄もので、自分のせいで死んだと思っていた弟に自責の念を抱き生きてきた兄、孝志の前に現れた男が実は復讐を誓った弟の仁志だった、というものなのですが、ラストが衝撃的でした…王道からは外れてるのかな。後味も良くないし、途中も心情的に痛々しいシーンが続くので人を選ぶ話だとは思いますが、暗い話もバッドエンドも好きな私としては最後の二人の関係や立ち位置に萌えました。むしろ最後でスッキリしましたね。最後の方にある毒の例えが、まさに二人を表していてお気に入りです。2013/05/23
de sang-froid
9
BL。孝志(下)には三歳年下の弟・仁志(上)がいる。自殺した母の代わりに面倒を見た孝志に懐く仁志を、突き放した後に仁志は失踪してしまう。病みキャラは嫌いではないのだが、兄が性的にユルい割に弟はダメって意固地。弟も頭よさ気な割に下手打った感じ。失踪中の仁志の話も肝心の部分が書かれておらず。五階から何処に落ちたのか。警察はどうやってごまかしたのか。兄が目覚めた後の弟の衝撃も今一つ伝わってこなかった。目覚めてからの兄の方が魅力的。挿絵は良かった。2013/06/14
きなこ
7
皆さんの最後の終わり方が予想外というコメントに惹かれて。心を許した途端に正体をばらし激しい執着で攻める仁志を空恐ろしく感じたが、それだけでは終わらないとはこの事だったのかと最後の章でゾクっとした。仁志として愛してもらいたかっただろうから、彼はこれからずっと辛い報われないような気持ちで高志に接していかなければならないだろう。高志だけではなく、仁志にとっても贖いだったのか。2014/05/26
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