内容説明
「君は写真よりもずっと美しい男だね」サンルームに入るなり、シェヴィー・ヴォネガットは、ヘンリー伯爵に杖で激しく打たれた。全裸になることを命じられ、従わなければ、容赦なく打ちのめされることを教えられたのだ。そして側には―過去の闇から現れた、実の息子アラン。悶えるシェヴィーの白い肌に渇望の眼差しを注いでいた…置き去りにされて、愛を知らず育ったアランは、心ではなく父親の肉体を欲しがる異常さを持っているのだ。狂った運命の歯車は、父と子を嬲り、禁忌の刻印を与え、やがて淫らな背徳の海に溺れさせ…衝撃のインモラル調教劇、開幕。蠱惑の書下し続編も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フキノトウ
30
アランは、シェヴィーのことを親として慕っているのか、恋なのかよくわからなかったけど山藍さんらしい本で、久しぶりに面白かったです。ヘンリー卿の距離感が好きです。2014/03/31
そらねこ
28
いやはや凄い世界を開いちゃったよ…。色々読んできて大分免疫付いてきてアレキサンドライト読まねば…とず~っと積んでんのに こっちに食指が…。耽美とエロの境目はどこなんですかね。これは愛なの???想像の斜め上を行く凄い相姦関係でした。受けが可哀想になっちゃったよ…哀れ…。禁忌はフィクションと割り切れるんだけど、無理やり落とされた感があるのはどうも後味がな…2017/10/01
rabbit
18
とても耽美な言い回しで、そこはかとなく匂ってくる甘美な表現は流石だなと思いました。近親相姦、調教、凌辱と背徳的なオンパレードの重厚な作品でした。2017/10/24
青龍
15
多分、単行本では初読の作家さん。濃いけど、雰囲気は耽美だから、痛みはなく、背徳感はあるのに、嫌悪感はない。イラストの美しさもあって、こういう世界にゾクゾクする。まだBLが、「やおい」とすら呼ばれていなかった時代に、こういう雰囲気の作品があったように思う。2016/06/08
たにしぃ
13
これ翻訳本だっけ?と思うような独特な美麗文体で萌えは無いけどおもしろかった、口絵はぎょっとしたけど本編でそのシチュエーションの意味がわかると何回も見直してなるほどなるほど…って感心した。挿絵すっごく綺麗!そして最後の短編なんなの…?本編と全く関係無いし収録しなくても良いよこれ~この短編はかなり気持ち悪くて読みたくなかった。2013/03/29