出版社内容情報
湊屋の主、清五郎との仲をにおわす芸者、葛葉が、季節外れの萱草のかんざしを借りにやってきた。お庸は不機嫌になりながらも職人のつてをたどるのだが・・・。お庸が切ない思いに気づくシリーズ最新刊!
2016年9月刊。
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
げみ[ゲミ]
内容説明
「萱草の花をあしらった簪」を借りにきた美しい女―本店の主、清五郎となにやら関係を持つ女らしい。お庸が疼く気持ちを抑えながらも、機知を働かせ要望に応えようと奮闘する「萱草の簪」。手代の松之助に忍び寄る影、隠された過去がお庸を巻き込む「秋時雨の矢立」など。貸し物屋・湊屋出店を舞台に、口は悪いが情に厚い、店主お庸の活躍を描く五編。文庫書き下ろし。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』でデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。14年、歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。ホラー、歴史小説ともに著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
38
貸し物屋の手代、松之助の過去がやっと明らかになり、大捕物もあって迫力があった。姉の霊などの幽霊が出てくるファンタジー感も健在だった。清五郎の過去が明らかにならないままこのシリーズは打ちきりになってしまったみたいで残念。結構読みやすくて面白かったんだけどなぁ。2020/11/17
ぽろん
38
自分の気持ちにやっと気づいたお庸が可愛い過ぎ。清五郎は、一体、何を抱えているのか、お庸が何故、神坂家に構われるのか今回も分からなかった。そろそろ、教えて貰えないだろうか。2016/11/22
ベルるるる
28
お庸がちょっと大人になったね。少し残念な気がしないでもない。お庸の幼い部分も楽しみのひとつだったのにな。2018/09/10
み
25
さくさくと♪お侍の件は進展なく^^;続作が出ていないようで、読み始めるんじゃなかったと、やや後悔。2018/03/25
真理そら
23
ついに庸が自分の気持ちをはっきり意識した。当時の15歳としてはかなり奥手だけど育った環境を考えればこんなもんかな。萱草の花が好きなので「萱草の簪」は想像力を掻き立てられて楽しく読んだ。善吉、鐵三の職人コンビにはこれからも登場してほしい。庸の出自に気になることがあったのに、今回は松之助の出自や過去が明らかに…清五郎もいっぱい謎があるし、りょうは妖道を極めつつあるし、次作が待たれる。初秋から初冬にかけての時間の推移が季節感あふれるものになっていて気持ちよく読めた。2017/08/22