出版社内容情報
江戸初期、男装の麗人として一世を風靡し、今に語り継がれる太夫「勝山」。冴えない少女から当時のファッションリーダーにまでなった彼女の、心の闇と気丈さを描く、痛快かつ人情溢れる一代出世物語!
2016年7月刊。
車浮代[クルマウキヨ]
スカイエマ[スカイエマ]
内容説明
江戸前期、男装の麗人として一世を風靡し、今に語り継がれる太夫「勝山」。湯女風呂で働く大柄の冴えない少女は細工師・銀次に磨かれ、かぶき者風の姿と酒の飲み競べで評判を呼ぶ。武士までが客となり江戸一の人気者となった彼女のさらなる波瀾の人生は!?せつない恋模様、過去に秘められた心の闇、そして胸のすく「男前」な啖呵。男も女も惚れた勝山の一代出世物語。
著者等紹介
車浮代[クルマウキヨ]
時代小説家、江戸料理・文化研究家。故・新藤兼人監督に師事し、シナリオを学ぶ。江戸文化に関する講演、TV&ラジオのレギュラーなども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nico🐬波待ち中
58
江戸の前期に男装の麗人として一世を風靡した湯女・勝山が吉原一の太夫になるまでの物語。初めは全く冴えない田舎娘が「男を越えた粋な女」になっていく様は読んでいてスカッとする!麗しい男姿で流し目をくれ、見事な男舞いを舞う。客の男にも一切媚びることなく、時に平気で一喝する。男のみならず女の熱狂的ファンも多数いる。そして仲間思いで情の深い女らしさも隠し持つ…完璧なスターだ!あの井原西鶴が「ご覧(ろう)ぜよ。…くっきりと麗しく、姿は際立ってお見事」と後に書き残した勝山太夫の花魁道中は圧巻だった!日本一!!2017/01/22
ポチ
56
心根が優しくそこいらの男どもより余程矜恃を持っている男前の粋な女“勝山”を「頑張れ!」「負けるな!」と応援しながら読んでいました。大夫になってからの勝山の花魁道中はさぞかし見栄えがして華々しかっただろうなぁ!市野姐さんもなんてカッコいいんだろう。2018/10/30
ネムコ
26
感動した。勝山という実在の男装の太夫の半生。二親を亡くし、流しの三味線弾きについて流浪の生活を送っていたお勝。親代わりだった三味線弾きが亡くなった時、抱き締めて、風呂屋で湯女として働けるようにしてくれた市野姐さんを慕って、健気に全身全霊で市野を守ろうとするお勝に心が震えた。感動巨編じゃないけれど、質の高いお芝居を観たような読後感でした。2018/06/26
ブルーノ
12
初読みの作家さん。とても面白かった。江戸時代に男装の麗人として一世を風靡した、勝山太夫という女性がいたことを初めて知った。冴えない田舎娘だった「勝」が粋な男姿の「勝山」に変貌を遂げ、湯女風呂一の人気者になっていく。そんな勝山の、拾ってくれた紀伊国屋の為になりたい気持ちや、市野を想い慕う心がとても真っ直ぐで胸を打たれた。そして、最後まで男前な姿に惚れ惚れした。読んで良かった。爽快な気持ちで読了。2018/05/11
niaomi
12
著者がお友達のお知り合いということでこの本を教えてもらい読んだけれど、とても面白かった! 実在した勝山太夫の真っ直ぐな心意気に惚れ惚れしながら読んだ。勝山太夫がお勝の頃から慕う市野姐さんも素敵な人だった。2016/08/25