感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
30
カバーの桃色、青い「海浜物語」という文字に目が留まった。<山田美穂子舞踊学校の子どもたちに送る>との言葉。かめが卵を産みに来る浜辺に来た子供たちの浦島太郎物語への疑問。(その疑問は私にもある…)と心の中で思う。長いこと帰ってこなかった浦島の問題…そうかしら、と自分に問う。そうか「一番小さな子」は私の心の中に今もひっそりといるんだ。忘れていてごめん。一日が終わる海の青とおしまいの光を延ばす太陽。読み終えてカバーを見返すと、温かい桃色が一日の終わりの光のようにどこか寂しい。1968年コルデット賞次席受賞2023/10/07
ベル@bell-zou
17
"大好きなひとたちをわすれないでいたら"。そうだろうか。それでも故郷は変わってしまうものだと思う。八島太郎もそう思ったのではないか。彼自身長い間叶わなかった帰郷。まるで浦島太郎のようではないか?そういえば名前も似ている…。ほんの一日のうちで空色から輝く青緑になりそして夕陽を映す濃紺へ。刻々と表情を変える海岸の青が胸に沁みる。1967米初版、1983日本訳白泉社より初版。桃色ベースに玉手箱を背負ったカメの表紙、裏にポツンとヒトデ。2023/09/23
かおりんご
17
絵本。桃太郎の話を間にはさみつつ、「どうしておじいちゃんになったんだろうね。」と、子供たちが話し合うところに、共感する。2021/10/03
おはなし会 芽ぶっく
10
浦島太郎のおはなしの疑問点を子どもたちがもち、それを軸に展開していく。おはなしそのもの=絵本だろうが、着眼点が違うのでしょうね。あとがきにコールデコット賞(アメリカの児童絵本界の最高賞)について書かれたことが印象的。「この賞をあたえられた絵本が、時として子供たちに全くかえりみられない事実も語られてきている。たしかに最高賞を最終的に決定するのは、子供たち自身であるということは真実にちがいない。」 【1968年 コールデコット賞 オナーブック 】(日本で翻訳された絵本)2023/10/27