出版社内容情報
ピンクのスープ、アーティチョークのオムレツ、崎陽軒のシウマイ……。
著者が魅了されたリトアニアや、暮らしを営むドイツをはじめとする欧州各地の料理から、身近な日本のお弁当まで、忘れられない味と人々との出会いを綴った、人気作家のおいしいエッセイ。
2020年3月刊
内容説明
リトアニアのピンクのスープ、アーティチョークのオムレツ…。おいしいひと皿には、忘れられない人との出会いがある。小川糸の最新エッセイ。
目次
キャラウェイの黒パン
アボカド納豆のオニギラーズ
三角すいのドーサ
カトリーヌのスープ
ラトビアのパンこね桶
市場のおいしいもの
エストニアの魚のスープ
週末オープンする田舎のカフェ
アーティチョークのオムレツ
プロヴァンスのアーティチョーク〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
216
小川糸さん、ドイツと日本を行ったり来たりの生活を送っているそうです。ドイツに住んでそこからあちらこちらにゆったりと旅をしてるのが伝わる旅と食のエッセイ。勿論日本の旅もありました。私が勝手に想像していたのとは違い、しっかりとした方のようです。丁寧に暮らしている端端から伝わるのは芯の強さでした。(そう感じたのは私だけかな?)終わり近くラトビアのリガを訪れた回で、意味深な?ご主人とのことを綴られていたのが気にかかるが、何があっても多分『小川 糸』を生きるのだろうと推察して読了に至りました。2020/04/04
ウッディ
152
「食堂かたつむり」はもちろんのこと、「ツバキ文具店」や「つるかめ助産院」でも、美味しそうな料理の描写が上手な小川糸さんの旅行先での思い出の料理のエッセイ。ラトビアやエストニアのバルト三国、ドイツ、フランス、イタリアなどヨーロッパの食べ物が多かった。特にコロナの影響もあって、行くのはほぼ不可能な場所ばかり、絶対に自分の口に入ることはないものばかりだったのが残念でした。崎陽軒のシウマイ弁当などのお馴染みのものもあったけど・・。自分的には、旅先、特に海外での食事の味は3割増しぐらいに感じられるような気はします。2020/08/10
モルク
135
小川さんが主に海外で出会った料理を紹介する。バルト三国特にリトアニアの料理など初めて目にするのも多く、なかなかマニアックなものも並ぶ。旅行雑誌に載っている店は案外アレレ?というものが多く、全く期待せずふらりと入った店が当りの場合が多い。観光客ではなく地元の人が通う店はまずはずれない。旅の楽しみは人それぞれ。食はホテルの部屋でコンビニで買ったもので十分という人もいるが、私はやっぱりその土地ならではのものを食べたい!とりあえず銀山温泉の野山とうふの生揚げと日本酒絹で一杯やりたい。2021/02/23
seacalf
131
ひとつのエピソードがとても短いのですいすい読める。ごはんの話から馴染みのないバルト三国がぐっと身近に感じるのだから不思議。ラトビアに行きたい病がとまらなくなる。触れると心にスーッとそよ風が吹き込むような感じがするというラトビアのカゴ、欲しいなあ。ドネルケバブはトルコではなくドイツが発祥というのは驚き。フィレンツェのスパゲティ・アッラ・カッレッティエーラ、リトアニアのツェペリナイ、フランスのアスパラガスのスープ、じたばたするほど食べたい。銀山温泉のお豆腐など日本も紹介。食いしん坊にはたまらないエッセイ本。2021/05/01
のぶ
117
タイトルの通り、旅先での食事に関するエッセイ集。小川さんは小説も良いが、こうしたエッセイも楽しい。旅先はバルト三国を始め、各地に及んでいて、日本の街も紹介されている。自分には馴染みの少ない料理が登場しているのが嬉しいし、「旅のアルバム」として料理が写真で載っているのも魅力的だ。小川さんの過去のエッセイを読んでいて、旅行が好きで、ドイツを始めいろんな土地を訪れているのは知っていたので、より身近に感じた一冊だった。1時間程度で読めてしまう本だが、厚さ以上のものが詰まっている作品集だった。2020/04/13