内容説明
2008年6月18日、帰らぬ人となったターシャ・テューダー。本書は月刊MOEに掲載された彼女最後のインタビュー2編と、家族の証言をまとめたものです。暮らしについて、仕事について、人生について、ターシャ92年の生涯を締めくくるインタビュー集です。
目次
日本のみなさまへ 「晩年のターシャ・テューダー」(セス・テューダー)
1 暮らしに喜びを見つけるのに、大切なことは何ですか。
2 古いものや手づくりのものは、なぜ素晴らしいのですか。
3 幸福や理想は、追い求めすぎないほうがいいのでしょうか。
4 これまで人生で、あなたの作品はどんな意味をもっていましたか。
5 人生に冬が来たとき、何を心がけたらいいのですか。
家族が語るターシャの素顔
著者等紹介
テューダー,ターシャ[テューダー,ターシャ][Tudor,Tasha]
1915年8月28日、アメリカ、ボストンに生まれる。23歳で初めての絵本『パンプキン・ムーンシャイン』を出版。その後、4人の子どもたちとの暮らしなど、美しい日々を描いた絵本を数多く発表。写真家リチャード・W.ブラウンによる庭や家の写真集でもよく知られる。アメリカ、バーモント州で1830年代の暮らしを続けた。2008年6月18日、自宅で逝去。享年92歳
テューダー,セス[テューダー,セス][Tudor,Seth]
ターシャ・テューダーの長男(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
106
正確には再読。ターシャの本は何冊か所有している。朝はターシャの万年日めくりカレンダーをめくる。生き方に単純に憧れを持つ。そしてまた歳を重ねるごとに、ターシャが手放さなければならなかったものに思いを馳せられるようにもなった。草や土に向き合う人の喜びと孤独。夕陽を見つめるひとときの厳かさ。それは人の根源だと思う。田舎に帰りたい。いつか、かならず。2017/05/11
ケロリーヌ@ベルばら同盟
63
2008年6月に永眠された、ターシャ・デューダー最晩年のインタビューと、ターシャゆかりの人々の思い出、美しい写真を多数収めた一冊。還暦を目前にし、人生の冬支度を始めた読者の、年月に乾き、罅割れた心に、温かい掌をあてられたよう。冬とは、移ろう季節の終点ではなく、再び巡る新しい生命、希望を育む苗床の季節であること。限りある命を生きるからこそ、その生涯を豊かにすべく、懸命に働くこと。好きなことを仕事にして、成功するのは、困難なことであるけれど、けっして敗北を認めず努力を重ねること…。力強く優しく背中を押された。2021/11/01
瑪瑙(サードニックス)
54
ターシャさんの言葉の数々が心に素直に入ってきます。そして彼女の御子息夫妻やお孫さんの御夫妻から見たターシャさんについて書かれてあります。けっして平坦な人生ではなかったからこそ、ターシャさんは自分流の素敵な人生をみつけたのだと思いました。「大切なのは、それを成し遂げるという意志です。本当に何かをしたいと望めば、きっとうまくいくはずですよ」という言葉が、今の私には一番心に響きました。一つずつと自分に言い聞かせながら毎日を送っている私にとって一番の贈り物でした。ターシャさん、ありがとうございます。2019/04/23
ぶんこ
47
月刊誌のインタビューと長男家族が語られたターシャさん。孫のウィンズロウさんが「祖母にとって、僕をあてにできるとわかっていることが、何よりも大きな心の支え」と言われ、本当に頼りになる人が身近にいることは素晴らしい。エイミーさんも、テレビで拝見したお顔、佇まいが素朴で、ターシャさんに似た感性の方という印象でした。てっきりウィンズロウさんとの結婚で縁ができたと思ってましたが、大学時代のアルバイトでターシャさんと知り合ったというのが驚きでした。「時間と手間を惜しまなかった日々」まさにターシャさんの生きた日々。2022/04/20
クリママ
38
月間MOEに掲載された彼女最後のインタビューと家族の証言をまとめたもの。「人生をより良くするために多くのことができるのです。…自分の仕事を楽しみ、心が満たされる趣味を持ち、親しい人たちを営みを分かち合うことで、幸せな人生を送れるように努力できるということです。」たくさんの人たちに称賛される絵本と庭。彼女の幸せは、彼女の努力、卓越したセンスと感謝の気持ちがあってのこと。だが、朝のニュース番組で見た、年金暮らしの高齢の夫が難病の妻を介護し、妻が食べやすいように作った食事を丁寧につぶしていく様子が心を離れない。2024/08/20