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出版社内容情報
「楽園」からの7冊目のpanpanya作品集。
表題作はじめ「カステラ風蒸しケーキ物語」続編全5本計40p、「外れる季節」「標」「鯛焼き遍歴」「おみやげの心得」等、著者ならではの世界が展開する20篇。
日記も併収。
2021年7月刊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
46
2021年刊。著者の漫画はFSとファンタジーが混じってて面白い。ちょっと怖くて懐かしい、つげ義春+吾妻ひでおの感じ。魚眼レンズ風に歪んだ風景が異界感に一役買っている。普通っぽい主人公と奇妙なキャラクターの違和感も良い。『はるかな旅』が印象的だった。街の上空を運行するロープウェイの話。架線には電線を使い、乗り場は電柱に付いている。のんびり乗ってるとヒヤッとさせられる展開が楽しい。山崎パン「カステラ風蒸しケーキ」が好きで自作までしちゃう実話連作が今回のNO1。サービスエリアが迷宮みたいになってる話も捨てがたい2021/12/29
あたびー
38
漁港の水産加工場ではたらくおかっぱの子。ある時足の生えた魚が水揚げされたのをキッカケに、だんだん魚が進化していき、安い賃金で働くようになって行ったので、とうとう解雇の憂き目に。仕方なく魚の着ぐるみを着て魚のフリで働いていると、同じくフリをしている魚類専門家からヤバそうな話を聞く。その他に山崎の「カステラ風蒸しケーキ」愛に突き動かされ手に入れるために街を彷徨したり、製造中止から自作を試みたりの連作など、ちょっと不思議で病みつきになる漫画短編集。2022/11/21
kei-zu
35
最近になって紹介されて読み始めた作者なので、新作の刊行にようやく追いついた。 「外れる季節」での、サンタのソリを引くトナカイとのやり取りからフフフとなり、前書から続くカステラ風蒸しケーキを求める旅の行く末を見る。 エッセイ風の語り口から不思議な世界へと誘うのは、いつものpanpanya節。サービスエリアの奥があんな風になっていたなんて!(いません) 表題作の「魚社会」にみる、作者の魚への偏愛が楽しい。2021/08/21
阿部義彦
21
最近やっと知る事が出来た不思議な漫画家panpanyaの単行本。web版も有るらしいが、人間が古いせいかはなからスマホやパソコンの画面で読みたいとは思わない。未だに音楽もフィジカル(CD)中心です。二冊目になる本作、「カステラ風蒸しケーキ物語」はエッセイ漫画の様で、明らかにこの世界での出来事ですが、ショップの店員さんや、アドバイスをくれるのは、お馴染みの異形の生物。もうひとつの柱「魚社会」はもう明らかにフィクションの世界。現実とあちらの世界の淡い境界をごったにした世界観に嵌ってしまいます。日記が面白い。2023/12/28
おーすが
16
変哲を作るという発想に感服。電線ロープウェイは実用化してほしい楽しい。たい焼きの地理的変化の話が個人的にはベスト。この人の漫画は空間の手触りがする。2022/05/20