出版社内容情報
ようこそ、天空遊園地 まほろばへ。
わたくし当園の案内人、シチカと申します。
ここは、もう二度と会えない、あなたの大切な人と「再会」できる場所。
入園される際に、一つご注意を。
当園では泣くことが禁止されております。
もし泣くと、あなたの大切なものが失われます。
くれぐれもお気をつけください……。
大好きだった父親の死後、母親と折り合いの悪い少女。
出産を控えて、辛い別れをした元恋人に会いたいと願う女性。
軽蔑していた父親にどうしても聞きたいことのあるエリートビジネスパーソン。
決別した元相方と会いたい女性お笑い芸人。
戦死した兄との約束が忘れられない90代の男性。
大切な存在との「再会」を通し、
残された人々が自分の心と向き合い、未来へ歩み出す姿を描く、
胸を震わせる5つのやさしい物語。
■著者プロフィール
浜口倫太郎(はまぐち・りんたろう)
1979年、奈良県生まれ・在住。
漫才作家、放送作家を経て、
2010年『アゲイン』(のち、『もういっぺん。』に改題して文庫化)で、
第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、翌年小説家デビュー。
他の著作に、ベストセラーとなった『22年目の告白-私が殺人犯です-』のほか、
『宇宙(そら)にいちばん近い人』『シンマイ!』
『廃校先生』『お父さんはユーチューバー』『ワラグル』
『サンナムジャ ~ヤンキー男子がK-POPに出会って人生が変わった件~』など多数。
漫画原作者としても活躍の幅を広げている。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
79
二度と会えない大切な人と「再会」出来る不思議な場所【天空遊園地まほろば】。大好きな父を亡くして以来母と折り合いの悪い少女、出産を控えて辛い別れをした元恋人に会いたい女性、米農家の父と優秀な外資系企業の社員、幼なじみで元お笑いコンビの相方と人気者になった女性芸人、特攻で散った兄と90歳になった弟。どの再会も胸が熱くなり、涙がこぼれそうに。2025/08/19
うっちー
58
ポプラ社らしい作品でした2025/09/20
シャコタンブルー
56
「コーヒーが冷めないうちに」とほぼ同じ設定で既視感だあり。喫茶店から遊園地に場所が変わったのが大きな違いかも。5話で構成されているが最初の2話読んだ時点で、余りに甘くぬるいコーヒーに辟易し席を立とうと思った(笑) 気を取り直して3話目の「沈黙のパンダカー」を読み驚いた。深い香りと酸味があるブラックコーヒーがとても好みだった。それに車寅次郎の台詞がところどころに出てきて楽しくもあった。4話5話は甘みは無くなったが少しぬるいコーヒーがでてきたようだ(笑)2025/09/04
ぼっちゃん
51
亡くなった人と一度だけ会える遊園地の5つの物語。義理と人情なんて一番くだらなく、コストパフォーマンスの悪いことは行わない外資系コンサルタントの主人公が亡き父と再会し父の想いを知る「沈黙のパンダカー」が一番お気に入りです。奈良県の生駒遊園地が舞台様だが、以前テレビで何故ケーブルカーが途中で切れているのか、飛行塔の関係などをやっていたのでその時のモチーフの話だと親しみが沸いた。【図書館本】2025/08/16
わむう
28
亡くなった人と一回だけ再会できる遊園地まほろば。奈良の生駒山上遊園地がモチーフ。ただし絶対泣いてはいけないルール。与えられた時間は1時間。母親との関係に悩む女子高生は亡くなった父親に、もうすぐ子どもが生まれる主婦は元カレに、売れっ子漫才師は元相方に、田舎から都会へ飛び出したエリートサラリーマンは存在を恥じていた父親に、90歳の老人は特攻で死んだ兄に。案内人のシチカと案内人のスミレの正体が最後にわかります。全部の章で泣いてしまいました。2025/11/29




