出版社内容情報
小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。
物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、
晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。
でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。
晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、
集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。
同級生や大家さんとの会話を通じて、
初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、
兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。
第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。
読んだ後にきっと誰かを大切にできる、
兄弟・家族の絆を描く傑作小説。
■著者プロフィール
川上 佐都(かわかみ・さと)
今作で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビュー。他の著作に『今日のかたすみ』がある。
内容説明
小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると普通じゃないらしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。温かさと切なさが胸を打つ、人と人との関わりの物語。
著者等紹介
川上佐都[カワカミサト]
本作で第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
25
仲良し兄弟の小学生五年生の晶と高校生の達。晶にとっては誰よりも尊敬できる兄なのに、他の人から見ると「普通じゃない」らしい、達と交わした言葉を大切に生きてゆく家族小説。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれて、けれどコミュニケーションが苦手で不登校、集中すると走り出してしまう癖がある達。同級生たちや大家さんとの会話を通じて「普通」とは何か、初めて意識する世間に晶が戸惑い葛藤して、さらに意外な事実や思わぬ展開にも直面しましたが、それでも晶が兄を大切に思う気持ちは変わらないとても優しい家族の物語でした。2025/02/05
JUN
5
優しいのに優しいと思えないのがもどかしい2025/03/19
読書熊
2
障害と言わず障害を描いた良作2025/04/24
むぎ
0
「手のひらに何か書いているのかと思ったが、もちろんただの手のひらだった。何で見ているのかさっぱり分からない。わたしはでも、この分からない息子の隣にずっといようと思った。達が望む限り、ずっと一緒に居ようと思った。」2025/05/06
優しい親子丼
0
"自分は簡単にできることを人もできると思っちゃダメだ"兄の達のセリフですが、この作品で一番伝えたいメッセージはこれなんじゃないかと思います。人間は自尊心を保つために、自分よりも弱い立場に立つ他者を傷つけ充足感を得ようとします。テレビなどで面白いと評価されるお笑い芸人のネタはそういう傾向にあります。弱いものイジメで起こる笑いは、単純で分かりやすく共感を得やすいからでしょう。他者の容姿や人となりを嘲笑するようなネタばかりするお笑い芸人は一刻も早く、この世から抹消されるべきでしょう。2025/03/11