出版社内容情報
藤岡 陽子[フジオカヨウコ]
著・文・その他
内容説明
母親を病で失い、会社を退職した父親と実家のある田舎へ越してきた14歳の暁。バスケットに情熱を燃やしていたものの、転校先に女子バスケット部はない。そこで暁は、学年イチの秀才で運動神経ゼロの欣子、不法滞在の身でほとんど学校に来ていないタンザニア人のブミリアたちと女子バスケット部を立ち上げる。初心者の集まりだったチームで苦闘する暁たちの前に一人の少女が現れる。それが、暁と本田薫との出会いだった。
著者等紹介
藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が、宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年『いつまでも白い羽根』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAKA
24
女子中学生のバスケットボール部を立ち上げてからの頑張りを描いた青い春の物語。それだけだときっとありきたりで面白みに欠けるのかも知れないけど、スパルタコーチの体罰や不法滞在などの社会問題も織り交ぜてアクセントを加えている。自分の住む地域では学区が決まっているため、中学でスカウティングによる転校がある事にビックリした。2023/01/15
百日紅
17
小中高の体育、球技大会などで必ずやるスポーツと言うと真っ先に思いつくのがバスケ。その時だけ何となくやっていたけれど、こんなに深いスポーツだったとは。運動量が半端なく、バスケ部の人、尊敬します!このチームだったら、入りたい!個人的には運動神経がないのに、友達のためにバスケやってくれる欣子ちゃん(名前はちょっとあれだけど)が最高でした。それぞれ親に癖があるけど、一応子どもへの愛情はあるのが救い。専門用語がチンプンカンプンで、ラストの方のあの子の衝撃告白は、ないわ~と思ったが、面白くて、一気読み!金の角繋がり?2024/11/03
Kei.ma
12
みずみずしく溌剌としたエネルギーがタイトルから届く。母の死後、品川駅から電車で一時間先にある平川中学校に転校した暁。クラスの風景、友人の悩みを悟った暁は女バスケ部を創りいきなり大会出場を目指す。物語はこんな只事ではない雰囲気で始まった。たった6人の2年生がそれぞれの資質を磨く姿に、支える親や教師。無残な敗北、不信を乗り越えることができるか。そして、迎えた翌年の春季大会、5人の躍動と競うほどのスピード感あふれる描写がコートを舞う。成長、それに伴う苦悩、夢中で闘うスポーツ、真剣さを見た! 2022/08/10
masayuki
10
青春スポーツ小説。転校先で女子バスケ部をつくり、仲間を誘い、練習に打ち込み、そして望みを叶えていく物語。と言えば、ありきたりのお話になりそうだが、個性豊かなメンバーが、それぞれ問題を抱えていて、それが横糸となって物語に深みを与えてくれている。藤岡さんの書く話には外れがない。2022/09/25
はなちゃん
9
バスケにかける女子中学生たちの物語、と言っても単なる青春スポ根モノではない。今まで読んだ藤岡さんの作品とは少しテイスト違いながらも、やはり人間の優しさ、強さ、葛藤…様々なドラマが織り込まれ、読み応えのある一冊だった。何者にもなれる若者に幸あれと願いつつ。2024/02/07