出版社内容情報
深沢 仁[フカザワジン]
著・文・その他
内容説明
自分の代わりに「楽園」で働いてほしい―。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく―。少年の鬱屈した苛立ちとやるせなさを描き切った傑作小説。
著者等紹介
深沢仁[フカザワジン]
第2回「このライトノベルがすごい!」大賞優秀賞受賞作『R.I.P.天使は鏡と弾丸を抱く』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
沙耶
13
読み終わった後に、色々な感情になって不思議な感じになりました。特に大きな出来事があるわけじゃないけど、生と死について考えさせられるような物語かなって思いました。楽園みたいな場所も必要かもしれないなって思いました。電子機器もなくて海の音だけ聞こえるそんな静かな場所もいいなって思いました。「英国幻視の少年たち」より重い話でした。2022/08/31
JUN
6
この方の描く男は強くても儚くて切ない。2022/05/20
色素薄い系
5
不思議な読後感。これといって劇的な何かがある訳じゃないけどちゃんと主人公の考え方というか物の捉え方(?)が徐々に変化しているなというのが分かった。ただ墓守のシステム他背景が謎のまま終わるのでそっち側の話も見たかった。2022/06/09
頭飴
4
楽園×墓守。怪我をした同級生に頼まれ、夏休みに楽園での仕事を引き受ける。楽園とは孤島で死者のための楽園であった。1人だけの墓守と共に島で仕事をし、訪ねてくる人を迎えるだけの仕事であったがある依頼をされ……。 少年と青年の中間にいる16歳の不安定な思いや葛藤、苛立ちが絡まって見え隠れしていた。 単純な成長物語というより、淡白なささやかな静かさが漂った話であった。2023/03/05
まめもやし3
2
非現実的な、お墓だらけの島。ところがラストでは、その島こそが、人間らしく生きていける場所に思えた。子どもにとって厳しすぎる日常が悲しい。2023/01/08