出版社内容情報
照屋 年之[テルヤトシユキ]
著・文・その他
とろっち[トロッチ]
イラスト
内容説明
青い目の転校生、マギイ。目が合ったら、思いきりにらまれた!俺、なんかしたかなぁ?不思議に思うヤカラ。それには、思いもよらない理由があって…。10歳の少年ヤカラが、アメリカ統治下の沖縄をかけぬける!ゴリの初小説!
著者等紹介
照屋年之[テルヤトシユキ]
1972年5月22日、沖縄本土復帰の1週間後に那覇で生まれる。芸人、俳優、お笑いコンビ・ガレッジセールのボケ担当。日本大学藝術学部映画学科中退。2019年、監督・脚本をつとめた映画『洗骨』が全国公開。第60回日本映画監督協会新人賞を受賞。また2014年から「おきなわ新喜劇」の座長として脚本の監修や舞台演出を行うなど多彩に活躍。『海ヤカラ』が初の小説作品となる
とろっち[トロッチ]
沖縄県那覇市出身のイラストレーター。小説の表紙や挿絵を中心に手がける。北海道大学大学院理学研究科修士修了。イラストは独学で学ぶ。ノスタルジックな風景からポップなイラストまで様々な表現に挑戦している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
vodka
6
ガレッジセールのゴリさんが沖縄出身ということも知らなかったけれど、沖縄戦争というテーマから絶対に8月中に読もうと思っていた本。真っ直ぐすぎるけれど、テーマ的にこのくらいまっすぐでいいのかもしれない。何かを知りたいと思うきっかけになれば。2022/08/20
MIYA
4
ゴリさん、相当難しいことに挑戦してるなと思った。物語は勧善懲悪の方がわかりやすいし、子どもが読むものならばなおさらそう。悪者をヒーローがやっつける図式は今も昔も子どもたちにウケやすいけれど、この物語ではその形式を取らず、簡単に善悪を分類しないし、やっつけない。全部は書けないけれど、”沖縄”でこれをやるのは非常に難しいし覚悟がいると思う。国家や政治の対立が、生活や日常の延長線上でも人を対立させる時代となった今。ゴリさんが言うようにヤカラはまさに理想。平和への祈りが、個々人同士で信じあえる時代が来ますように。2022/07/23
タカエス
3
ゴリさんの郷土愛がめいっぱい伝わってきました。同じ沖縄に生まれた人間として、同世代の人間として、ゴリさんにありがとうと伝えたい。2022/06/29
ろばみみ
2
ゴリさんはこの本を書くために糸満各所で取材をしただけでなく、完成したこの本を取材先に届けてくれたそうです。物語の内容も誠実そのもの。海と自然の中でまっすぐ成長していく子供たちが清々しい。あと何気に筋肉が大事だった笑。2022/07/19
A.T
1
★★★☆☆3.5 児童小説と知らずにネットで購入。アメリカ統治時代の沖縄の少年とアメリカ人ハーフが仲を深めていく話。過去の戦争のせいで関係のない子どもたちが苦しめられる。ゴリさんはあとがきで、「時代の勝手な変化で人は苦しめられます。幸せに暮らしたいだけなのに、周りがそうさせてくれない。自分ではどうすることもできない。」と。主人公のお父さんはアメリカ人を憎むのではなく、戦争が憎いと言っている場面があり、ウクライナ人やロシア人も人に対して憎しみを持たず、そのように考えてくれればいいなと思った。2022/08/27