出版社内容情報
小嶋 陽太郎[コジマヨウタロウ]
著・文・その他
内容説明
県内一の名門私立高校に入るために塾に通う竹人は、塾の帰り、市内にのさばる不良チーム「夜明スコーピオン」に襲われた。そこに現れたクラスメイト、クラゲの怪しい気功術もはね返される。しかしクラゲは翌日、夜明スコーピオンをやっつけて、財布を取り戻そうと竹人を誘う。そんなこと、できるわけがない。と断った竹人だが―ただ選びたい、自分の意志で、なんでもいいから、何か選びたい。ずっと親の希望に従ってきた竹人の感情が、ゆっくりと頭をもたげる。繊細で勇猛な14歳たちの物語。
著者等紹介
小嶋陽太郎[コジマヨウタロウ]
長野県松本市生まれ。2014年、「気障でけっこうです」で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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chimako
65
中学生が巨悪相手に戦いを挑む!勧善懲悪、バッサリ スカッと!みたいなコピーが浮かんだ。中学生相手にカツアゲを繰り返す「わるもん」集団夜明けスコーピオン。ボスのじいさんは市長、父親は検察、20人の手下を引き連れやりたい放題し放題。成績が悪くても地元一の進学校に通い、遊び場としてマンションをあてがわれ、弱い者いじめを生き甲斐にするゲス野郎。主人公竹人、父は歯科医 母は専業主婦 兄は引きこもり 勉強に精を出す優等生……だったのだが。クラスメイトのクラゲが現れたことで毎日が変わる。「いいもん」が目を覚ます。2022/11/30
ベル@bell-zou
31
周りから変人扱いされようがどこ吹く風。まったくブレないクラゲにペースを乱され松林の心にくすぶっていた何かが動き出す。自分で考えて自分で決める。それを反抗期と言うならそれもいい。ちょっと勇気のいるその一歩を踏み出してしまえば世界は案外悪くないのだ。朝ガエルズのかみ合わない掛け合いが微笑ましい。彼らの家族との関係も特徴的だが特に断絶状態だった松林兄弟が少しずつ距離を取り戻していく描写が良い。それにしてもクラゲって一体何の使い手なんだろう(笑)。楽しくあっという間に読んでしまった。面白かった。アニメによさそう♪2022/05/15
まる子
16
YA。塾の帰りに悪の夜明けスコーピオンに財布を奪われた竹人。ひょんなきっかけでクラゲや三森花と悪と戦う朝ガエルズを結成!市長、検察の大人の権力を利用した悪事を暴くにはどうしたらいいんだ⁉️結果が全ての父の言う「立派な」「いい」大人になる事、それが本当に自分のためなのか?中学生が大人に対抗するささやかな戦いと「自分の未来は自分で決める」ちょっぴり成長した彼らをお楽しみに✨なんだか不思議いっぱいのクラゲのキャラがGOOD👍ひきこもりの兄の真実になるほど。2022/05/21
のぶりん
14
なんだか中学生の正義感と勇気にほっこりした。しかし、犯罪者相手にここまでやるかと愉快だが、本当におとがめ無しで済む物なのかしら。勧善懲悪&唯我独尊、「朝ガエルズ」が広く認知されると良いな。2023/11/17
くぅたん
11
中学2年。地元の不良に絡まれ、変人クラスメイトと悪事を成敗する、スカッと感やドタバタ感もありつつ、変人なだけでないクラスメイトの良さに気づいたり、引きこもりの兄との関係修復だったり読みごたえもあって面白かった。スラスラ読める。2023/03/20