出版社内容情報
大山 淳子[オオヤマジュンコ]
著・文・その他
内容説明
不遇の人生を送ってきた男が、偶然盗みに入った場所は「あずかりや」だった―(「金魚」)。上等そうなスーツに身を包んだ紳士が預けたものは、なぜか焼きそばパンで―(「太郎パン」)。ママは、可愛がっていた愛犬を「ある事情」からあずかりやへ預けることに―(「ルイの涙」)。激しく雨の降る夜、女性は10万円という大金で「ある物」を預けたのだが―(「シンデレラ」)。
著者等紹介
大山淳子[オオヤマジュンコ]
東京都生まれ。2006年『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年『猫弁―死体の身代金』で第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
127
幼いころに視力を失った青年がこんな風に成長するこの奇跡!どれ程の苦しみがあったのだろう2022/06/06
ぶんこ
96
久しぶりの桐島さんに時間を忘れて読んでしまいました。切ない話が多かったのですが、そのやりきれなさや怒りを、桐島さんが穏やかに吸いとってくれたようです。じっくりと話を聴く、相手を受け入れる。できそうでできないこと。「金魚」の荒ぶる心をしずめた曇りのない前向きな考え方に惚れぼれ。悪い方にとらないとは常に言い聞かせてはいても、時々は目が曇るもの。桐島さんの思考を見習いたい。2022/04/01
Ikutan
96
店主桐島君の誠実な対応に心が洗われるあずかりやさん。第五弾の今回は『あずかりやさんに預けてみよう!キャンペーン』に寄せられた読者のあずけたいものが取り上げられているのだそう。私だったら何をあずけようかな。今回の四つの物語であずけられた物は意外なものばかり。そして、そこには素敵な物語が。何より、真摯に寄り添う店主の姿勢にはいつもながら心打たれますね。毎回変わる語り手が誰なのかもワクワクしちゃう。どのお話もよかったけれど最終話の『シンデレラ』が一番好き。最後にもう一度冒頭の手紙を読めば、これは涙腺崩壊ですね。2022/03/14
えりっち
94
あずかりやさんシリーズは心温まるシーンと、物語の中なのに、現実のヒリっとした空気感をまとってる本だなといつも感じます。読み切るのがもったいない一冊です。2022/02/23
紫 綺
83
シリーズ第5弾。1日100円で何でもあずかる「あずかりや」。どんな暗闇の中でも、きっと光は射すはず!そんな四つの温か物語。2022/03/29