出版社内容情報
第9回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作!
「総体的に、文句のつけようのない作品」那須正幹(選評より)
サッカーチームで大活躍のトモには、誰にも言っていない秘密がある。
それは――裁縫が大好きだってこと。
“クリーニングのプロ”の祖父と、“仕立て名人”の祖母の影響で裁縫少年になったトモ。
ある日、ハーブ園で出会った華奢な女の子・リラちゃんに、
お母さんとの想い出のワンピースのお直しを頼まれた!
でも、サッカーと裁縫の両立は思ったより大変で……!?
針と糸が奇跡を織りなす、感動のソーイング小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
76
想像以上に良い話だった。 キュン要素も、友情要素もあり、家族の色々もあり、共感できる部分がたくさんあった。 「水を縫う」も裁縫少年の話だったが、この主人公はとてもかっこよかった。大好きなサッカーと、裁縫と2つを同時にできなくて悩んでいたが、ラストは困難を乗り越え考えがまとまる。 やりたいことは、なんだってやればいい。どちらかを選ぶのではなくて。読後はとても爽やかだった。2021/01/27
はる
53
爽やかな読後感。いいですね。ボーイ・ミーツ・ガール。裁縫が好きな男の子の物語。でもサッカーとの両立に悩んでいる。そんな時、ライラック色のワンピースを着た少女に出会います…。男の子の亡き祖母への想いがとてもいい。そして祖父との男同士の関係も。後半は思わぬピンチの連続ですが、そこからが…素敵でした。2020/11/06
ぶんこ
49
とても素敵な作品でした。著者の初めての本とのこと。楽しみな作家さんが増えました。小学6年生のトモはサッカー少年で、内緒にしていますが裁縫大好き少年。急死した祖母が預かっていた、ボタンつけ前のシャツをなおして届けたことから、ワンピースを仕立て直すこととなります。心をこめたクリーニングの仕事、お直しの仕事の素晴らしさが伝わってきて、心が晴ればれとしてきます。好きなことはいくつあってもいい。恥ずかしがらずに夢中になっていい。むしろ、夢中になれる事がいくつもあるって素晴らしい。2020/11/18
chiaki
38
サッカーも大好きで大事だけど、実は裁縫少年のトモ。ある日出逢ったリラちゃんに、お母さんとの思い出が詰まったワンピースのお直しを頼まれて…。まさかのハプニングにはハラハラしましたが、おじいちゃんの存在感!!没頭できる好きなことがあるって幸せなことなんだ。周囲からどう思われるかなんて問題じゃない、夢中になれる自分にもっと自信を持つべき!そんな姿は、周りも幸せにするんだと感じました。家族愛あり、友情あり、ちょっと恋あり♡22章のハーブ園存続をかけたリラちゃんの宣言にびっくりでした。笑2021/06/25
anne@灯れ松明の火
29
小6のトモはサッカー少年。でも、もうひとつ大好きなものがある。それは裁縫。サッカー好きは友達に言えても、裁縫好きは言えないのはなぜ? 好きなことが沢山あるのはいけないの? トモは悩む。同じ小6のリラにも、悩みがある。トモのじいちゃんも、ばあちゃんに先立たれてから、様子がおかしい。みんな、どうなるんだろう? うまく収まったかな?と思うと、次の問題が持ち上がり、先が気になる~。これがデビュー作とは思えない、次作も楽しみな作家さんの誕生だ! 第9回ポプラズッコケ文学新人賞大賞受賞作。#NetGalleyJP2020/10/01