出版社内容情報
「リコール」の保坂祐希が贈る、
食の不正を暴く、社会派エンタメ企業小説!
絶滅危惧種でありながら日々食卓にあがり続ける、身近な「ウナギ」。
いまだ生態に多くの謎が残る高級食材の流通をめぐり、巨大スーパー・ヴィアンモールと裏社会の人々、そして元総会屋が暗躍する。しかし、その裏には国が躍起になって隠蔽する戦慄の真実が隠されていた――。
■著者
保坂祐希(ほさか・ゆうき)
2018年、自動車業界の闇を描いた「リコール」でデビュー。大手自動車会社グループでの勤務経験がある。
内容説明
絶滅危惧種でありながら日々食卓にあがり続ける、身近な高級食材「ウナギ」。いまだ生態に多くの謎が残るウナギの流通をめぐり、巨大スーパーと裏社会の人々、そして元総会屋が暗躍する。しかし、その裏には国が躍起になって隠蔽する戦慄の真実が隠されていた―食の闇に鋭く切り込んだ骨太エンタメ企業小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
187
私の住む田舎の小さなスーパーにもいつもマグロやウナギはある。日本人はどちらも大好きだと言う(どんだけ食べるの~汗)私は食べることは出来るがほとんど買わない。食べない(安上がり)でも産地は気になる。安定した供給には養殖だよね。もう疑いだせばキリがない感じ。汚染水から放射性物質を除いたと言われたら私は信じてしまう。でもそれが、改ざんされてたら?政治家や研究者、トップシークレットだったら?それを暴くのは誰?色々考えてしまう読後感。食の問題は安全第一でお願いしたい。安心して買って食べたいだけなのだ!2020/10/02
散文の詞
157
タイトルからしても、何か暗い部分が明らかになる様な小説だろと思っていたら、黒いサカナはウナギのことでした。 まあ、確かに生態がまだ、はっきりしてないから読んでても面白かったのですが、戦慄の事実ってのはいただけませんでしたね。 想像するとグロテスクですけど、途中までの現実味がいきなりSFのようになって、肩透かし食らった感じでした。 2022/08/22
ゆみねこ
85
保坂祐希さん、初読み。ウナギの流通に潜む恐ろしい真実。食品偽装、隠蔽、癒着。裏社会と政治家の繋がり。何よりも恐ろしいのは国が必死で隠そうとしている戦慄の。。これを読んだら暫くウナギが食べられなくなりそう。2020/11/09
ゆのん
75
以前に『震える牛』を読んだ時は暫く外食が出来なくなった。今回は『うなぎ』。大手スーパーのバイヤーを目指して研修中の新入社員の主人公と、大学時代の同級生の記者が鰻の産地の秘密を暴く社会派ミステリ。秘密を暴く事は大勢の人の生活の糧まで奪ってしまう事に気付いた時、正義を貫く事が出来るのか…。正義は絶対的に正しい。では正しいだけが全てなのか。完璧に安全な食品なんて恐らくないだろうと思うと明日から何を食べたら良いやら…。2002020/09/01
kei302
61
とても興味深い内容。食の不正の予想を超える社会問題が飛び出してくる。白いダイヤモンドには黒い噂がつきまとう。 あなたが食べた鰻は『ウナギもどき』。震える牛、ナイルパーチ、川瀬昆虫小説ショートニングに次ぐ食品ショックです。タイトルの「黒いサカナ」のサカナは鰻。その“闇”が明らかになったら、あなたはもうウナギを食べられない――。素材がよすぎて著者の手に余った感が残念。おもしろいのにもったいない。残念だけど読んでおいて損はない。NetGalleyJP2020/09/08