出版社内容情報
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける――。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。
内容説明
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける―。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。第9回ポプラ社小説新人賞受賞作『Bとの邂逅』改題。
著者等紹介
夏木志朋[ナツキシホ]
1989年大阪府生まれ。大阪市立第二工芸高校卒。2019年、本作にて第9回ポプラ社小説新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
245
第9回ポプラ社小説新人賞受賞作ということで読みました。 性的な問題をかかえた教師と高校生のバトル、熱量とエネルギーを感じさせる青春譚の佳作でした。半分私小説かと思いきや、男性作家ではなく、ビジュアルも好い女性作家でした。今後、ブレイクするかも知れません。 https://ddnavi.com/interview/667862/a/ https://note.com/poplar_bungei/n/ne5284df3da7f 本書で10月は読了です。2020/10/31
おしゃべりメガネ
145
『ポプラ社小説新人賞受賞』作品ですが、かなりインパクトあります。いじめ、ロリコンなどちょっと読むのになかなか覚悟を要するかなと。主人公の高校生「田井中」は、ちょっと個性的があるがゆえにクラスで'いじり'にあっています。そんな中、至ってフツーにみえる美術教師「仁木」に出会い、ふとしたキッカケから距離が縮まり、「田井中」の書く小説を元に不器用ながら、ココロを少しずつ通わせます。イタイ高校生とヤバい先生のかなりキケンなやりとりは、青春小説とは違ったスリリング感を十分に味わえます。とにかく圧巻でスゴい作品でした。2022/12/07
★Masako★
95
★★★★ 周囲と同調出来ず、小さい頃から宇宙人、変なやつとバカにされイジられ続けてきた高校生・田井中広一。そんな広一が、温和な美術教師・二木の秘密を知り、脅して取引を持ちかける。ミステリーかと思って読み始めたのだが、これはマイノリティ故に生きづらさを抱える二人の物語。二木に思いをぶつけながら二木のようになりたい、認めてもらいたいと行動を起こす広一を、ぶつかりながらも受け止める二木。終盤の展開にハラハラしながらも、あのラストにホッとする。考えさせられ読ませる良作だった。【図書館本】2021/01/29
ゆみねこ
91
田井中広一は周りから浮き上がり常に人から馬鹿にされる高2。そんな広一が人間的な関心を寄せたのは担任で美術教師の二木だった。二木には人に言えない性癖が。田井中に対するクラスメートのいじめ、二木との嘘と誠実の交差、中々ハードなやり取りだが読み心地は良かった。ポプラ社小説新人賞受賞作、夏木志朋さん初読み。2022/12/28
アキ
82
高校の美術教師ニキと生徒の田井中広一との虚実入り混じるやり取りと、今の高校生のリアルがからみ、最後の教室での話の展開を楽しむことができました。結局広一は文学賞の新人賞を受賞したのでしょうか?著者の夏木志朋さんは読メで知りました。ビジュアルもいい若手の女流作家。本作品は、ほんものの第9回ポプラ社小説新人賞受賞作です。これからも著者の作品読んでいきたいです。2020/11/13
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