出版社内容情報
能の大成者・世阿弥が記した日本最古の能学論。本書は、700年を経た今日、人生訓としても味わい深く読める。
内容説明
「秘すれば花」「初心忘るべからず」能の大成者・世阿弥による至高の芸術論にして人生訓。なぞって味わう心の金言集。
目次
はじめに―世阿弥と『風姿花伝』
第1部 初心忘るべからず(心より心に;家にあらず;心のままに・七歳 ほか)
第2部 物まねの品々、筆に尽しがたし(物まね;女;老人 ほか)
第3部 秘すれば花(序破急;少し心を破に持ちて;時節感当 ほか)
著者等紹介
土屋惠一郎[ツチヤケイイチロウ]
明治大学学長。1946年、東京都生まれ。明治大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位修得満期退学。専攻は法哲学。中村雄二郎のもとでハンス・ケルゼン、ジェレミ・ベンサムなどの研究をするかたわら、能を中心とした演劇研究・上演の「橋の会」を立ち上げ、身体論、とりわけ能楽・ダンスについての評論活動を行う。90年、「能―現在の芸術のために」(岩波現代文庫)で芸術選奨新人賞受賞。芸術選奨選考委員(古典芸能部門)、芸術祭審査委員(演劇部門)を歴任した。北京大学日本文化研究所顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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y_u
4
このような良質な古典を学校でじっくり習えなかったことが残念。確かに、能は一子相伝で、不器用な者には教えてはならない…文科省的には認めるわけにはいかない箇所もあるが、内容は芸能に限らず、すべての道に通ずるところがある。秘すれば花、初心忘れべからず、という有名な言葉以外にも、教育論もあり、人生訓・処世論もあり、至高の芸術論と言って過言はない。鉛筆で書くというのも良い。書くことで、内容がよく入ってくる。鉛筆の感触も楽しめる。本書は能活に、古典の勉強にというキャッチフレーズがあるが、心を豊かにする一冊であった。2020/05/05
紺青
0
えんぴつで書くシリーズの三冊目。 文章を書くのがいい(和歌だと短いと思ってしまう) 一子相伝というのは"戦略"ということ。"秘すれば花"という言葉も戦略だと知り目から鱗、ハッとしました。 "心より心に伝ふる花なれば、風姿花伝と名づく"(言葉にならないものも心から心につたえるものなので風姿花伝と名付ける) 三冊目にしてようやく私の字に変化が出てきたような気がするようなかもかもかも… なので四冊目に向かってGO!2023/11/27