出版社内容情報
シカゴの町で偶然見つけた、大きな図書館。そこは、すべての人が自由に入れる図書館だった……。
内容説明
一九四六年、アメリカ。「黒人は、図書館に入れてもらえない」と、ラングストンの母さんは言っていた。しかし、引っ越してきたシカゴの町で、ラングストンは、だれもが自由に入れる図書館をみつける…。
著者等紹介
クライン・ランサム,リサ[クラインランサム,リサ] [Cline‐Ransome,Lesa]
アメリカの児童文学作家。画家の夫ジェイムズ・ランサムと一緒に、絵本を多く手がける。初めての小説『希望の図書館』は2019年度のコレッタ・スコット・キング賞(アフリカ系アメリカ人作家によって書かれた、優れた児童・ヤングアダルト向けの作品に贈られる賞)の作家部門で次点を受賞、また、スコット・オデール賞(アメリカの優れた児童・ヤングアダルト向けの歴史小説に贈られる賞)を受賞した
松浦直美[マツウラナオミ]
愛知県出身の翻訳家。早稲田大学第一文学部卒業。クリスティーズ・エデュケーション(ニューヨーク)にて近現代美術史の修士課程を修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲンキ
144
表紙に惹かれ読んでみました。ラングストンという少年が、お母さんを失い転校するも、黒人だからと苛められる。そういった中、学校の帰り道に黒人でも入れる図書館と出会い、そこでお母さんが好きだった詩人「ラングストン・ヒューズ」の詩に夢中になる。それが心の支えとなり、友達が出来たり、お父さんとも心分かち合える関係になり、最後は詩なんか全く知らないお父さんとその図書館に一緒に出かける所で終わります😂。また、ラングストンもあとで知ることだが、お母さんは自分が好きだった詩人の名前を息子につけていたのです。感動です😂 2020/02/19
ちゃちゃ
132
亡き母の大きな愛に導かれて偶然訪れた場所。かつて黒人は利用できなかった図書館で、運命的に出会った一冊の詩集。母親の死をきっかけに、米南部のアラバマから北部のシカゴへと移住した少年。彼を救ったのは同名の詩人ラングストン・ヒューズの詩。詩の言葉は少年の抱える大きな喪失感と孤独に寄り添い、心を解き放ってくれた。喧騒に満ちた都会暮らしが、独り心静かに本と向き合う喜びの日々へと変わってゆく。図書館や本との出会いが、少年の再生と成長を促し、世界を彩り豊かにする。そのさまを瑞々しい筆致で描いた素晴らしい作品だ。2020/03/13
けんとまん1007
115
人は、やはり居場所が必要な生き物だと思う。それも、安心していられる居場所を。図書館もその一つになりうる場所。本を通して世界が広がり、そこに集う人との関りをもとに、つながりも広がる。2020/02/15
ゆみねこ
92
読み友さんの感想から。素敵な1冊でした。1946年のアメリカ、母を亡くしたラングストン少年は、父と共に南部アラバマから北部のシカゴに引っ越した。馴染めない都会の生活、南部出身をからかういじめっこ。居場所のなかった少年が見つけたのは誰もが自由に入れる図書館だった。同じ名前をもつ詩人との出会い。私たちはなぜ本を読むのか?2020/04/18
ゆのん
91
【児童書】第二次世界大戦後、より良い生活の為に南部から北部へ黒人が移住した頃の話。母親を失い、学校でも嫌われ、虐められ、父親との意思の疎通も出来ない。母親と故郷アラバマを恋しく思う毎日の主人公。彼が出会ったのは『誰でも利用出来る図書館』だった。自分と同じ名前の黒人詩人ラングストン・ヒューズの詩に出会った事で吐き出せなかった心の声からもたらされた辛い気持ちから解き放たれてゆく。読み始めは何とも悲しい気持ちにさせられたが、読み進めてゆくうちに明るい気持ちになる。本て素晴らしい。582020/03/09
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