出版社内容情報
四人の女たちが、自分の中の「少女」と大人になることへの折り合いをつけたりつけられなかったりする、現代版「若草物語」。
内容説明
母親と呼ばれることを厭うエキセントリックな少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘。全く性格の違う4人に共通するのは「母親のようにはなりたくない」ということ。自分の中の「少女」と大人の狭間で葛藤する女性達を瑞々しく描き出した傑作長編。
著者等紹介
吉川トリコ[ヨシカワトリコ]
1977年静岡県生まれ。2004年、「ねむりひめ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞・読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャッピー
23
タイトルに惹かれて手に取った。少女小説家の母とそれぞれ父親の違う三姉妹。誰にもちっとも共感できず、読み終わるのに2週間かかった。少女の心はどこかに置き去りになっている私にはちょっとキツかった。ごめんなさい。2019/10/10
e
16
4人それぞれに共感するところがあり、わかるわかる〜!となりながらあっという間に読み終えました。共感しどおしだったわたしもきっと少女病……(笑)マリー・アントワネットの日記の時も思いましたが女性の複雑な気持ちの表現がうまい作家さんでこれからも注目です。2019/08/07
こゆび
13
連作短編集。少女でいようと抗い続ける母親と、父親の違う三姉妹。四人は同じ家に暮らしながら自分の世界に住んでいる。彼女たちのことを憎めないのは、かつて私も少女だったから。だけど空想の世界から抜け出して現実と向き合ったとき、夢見る少女たちは夢を叶える女性になる。2020/03/04
miu
12
多分きっと、あなたもわたしも少女病。少女小説家の母と父親の違う3人の娘。性格は随分違うのに、共通しているのは少女病だということ。大人になりたくない。夢を見ていたい。現実から少しだけズレていたい。なんか、わかる。わかってしまうからこそ、面白い。2021/07/04
Fiver
10
うわぉ!!『少女病というのはつまり、夢見がちで空想癖があり、いい歳して白馬の王子様を待っていたりするような大人になりきれない女性のことであるらしい。』…どきどき…笑。だってしょうがないんだもん。『…さびしい、さびしい、さびしい、自分でもたじろいでしまうほど子どもっぽいシンプルな感情が弾け出る…』大人ってなんだろ。大人になりたい、でもなりたくない。ほんとそう。子ども扱いされたくないのに、優しくしてほしい。むずかしい〜笑。おもしろかったです♬*゚2019/08/09