出版社内容情報
「家族崩壊」の原因とどう向き合えばいいかを自身の経験を交えながら最新脳科学をもとに説く。
内容説明
親を憎んでしまうのは、自分のせい?なぜ、子どもを束縛したくなる?なぜ、愛しているのに、憎くなる?気鋭の脳科学者が「毒親」の正体とその向き合い方を分かりやすく説く。
目次
第1章 子を妬む母(毒親;親の価値観から抜け出せない ほか)
第2章 愛し方がわからない父(父の子殺し―アブラハムのパラドックス;父子関係のモデルが消失した時代 ほか)
第3章 愛が毒に変わるとき―束縛する脳(“ママン”;愛着の傷 ほか)
第4章 親には解決できない「毒親」問題(毒親育ちは毒親になってしまうのか;ハリー・ハーロウのモンスターマザー ほか)
著者等紹介
中野信子[ナカノノブコ]
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。2008年から2010年までフランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務。2015年、東日本国際大学特任教授に就任。テレビのコメンテーターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
91
中野先生とお母様の不和は著書で時々言及されていたので、待望の…!?と感じました。笑 思った以上に冷静、俯瞰的でびっくり。毒親をこき下ろすこともできるけど、それを一時的な薬にするのではなく本質的な課題に向き合おう、いつからでも自分は自分で癒せるという中野先生の姿勢がとても素敵。最後の、数え切れないほど自分を否定してきてそれでもよくここまで生きてきたねというメッセージには目頭が熱くなります。単純な毒親論ではなく、脳科学専門家だけあって一見毒親領域外と思われる話も多い。根本から考えようということなのかな。2020/06/16
マエダ
44
子供がテストでいい点を取った際、自分ごとのように自慢して子供も周りも呆れるくらいのレベルで毒親を考えていた。書いてあったのは子がいい点を取った際に私の方が良い点を取っていたからと自身の自慢話。なるほど。。。2023/01/09
佐治駿河
40
個人的に毒親のイメージといえば勝手ながら母親であり、それに苦しむのは娘の姿でした。本書でもやはり私のイメージ通り母親と娘が大部分を占めていました。やはり毒親になりやすい構図なのですね。母親も子供が生まれたからと言ってすぐに母親らしく振舞えるわけではないのは言われれば当然ですね。また幸せホルモンであるオキシトシン等の話も書かれており学術的からも書かれている著書でした。大なり小なり皆が悩んでおり、自分だけでないなと安心することはできる反面、解決するにはどうするの?とは思いました。2024/10/01
小木ハム
37
親ガチャ…等という言葉に嫌悪感を覚える方の人間ですが、それは自分が恵まれた環境と関係で育ったからそう思えるのであって、実際にはつらい環境や関係で育てられる人もいるんだよなと自戒。本書は毒親が子どもに及ぼす影響を、著者の身近な友達の話や科学を交えて解説されている。ハーロウの代理母実験はサピエンス全史で読んだけど、他にも色々エグい実験をしていてうわぁという感じ。親がみんな『養育者のプロ』というのは思い込み。うまく育てられないばかりか子を憎悪の対象にしてしまう人もいる。親は能力値よりも精神性が大事だと思う。2021/11/25
ゆきねこ
37
子供に害を及ぼす親。子供に嫉妬する、子供を束縛する。足を引っ張る。中でも最悪なのは、虐待。毎年、悲惨な継子殺しが報道される。本書も脳の仕組みやホルモンが人間の行動にどのような作用をもたらすか科学的に分析している。猿の赤ちゃんの実験は今はもうできなくなっているが、大変貴重なデータだ。経済的余裕のなさが精神的余裕のなさにつながり、子供への負の遺産となる話は通説になっている。育児院で育った子供は人間関係がうまく結べないデータにより子供は愛情を持った親に育てられるべきだが、社会全体で子供を育てる仕組みは必要。2021/10/02