出版社内容情報
大好きな家族と大阪で暮らす小学三年生の笑生子。兄やんの出征が決まり、幸せな生活にも徐々に戦争の影が忍び寄ってきて……。親子で読んで語り合ってほしい。
戦争のこと、家族のこと、このさきの平和について。
大阪で暮らした著者の母親をモデルに、大阪大空襲で市井のひとびとが味わった悲しみを鮮烈にえがく! 今こそ読んでほしい本格的戦争児童文学!
昭和16年。小学3年生の笑生子(えいこ)は、大阪の新千歳国民学校に通う女の子。「ちいやん」と呼ばれて、かわいがられている。働き者の両親と、京都に住む長女の澄恵美(すえみ)、今は家庭を持って別に暮らしている厳格な長男の正義、いつでも心やさしく家族を助けてくれる次男の成年、電車の車掌をしているモダンでマイペースな次女の雅子、わがままだけど愛嬌いっぱいの弟の春男という大好きな家族に囲まれて、しあわせに暮らしていた。しかし、ひたひたと戦争の影がしのびより、笑生子の日常を少しずつ違うものに変えていく。大好きだった成年の戦死、成年が手伝っていた動物園の閉鎖、建物疎開で離ればなれになってしまった仲良しの千代ちゃん……そして、恐ろしい大空襲。戦争は笑生子から少しずつかけがえのないものを奪っていく。
どんな苦しい毎日でも生きていこうとする人間のたくましさと、その命のつながりによって今のわたしたちは生かされていること、そして、この戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないことを訴える。
越水 利江子[コシミズリエコ]
著・文・その他
牧野 千穂[マキノチホ]
イラスト
内容説明
昭和十六年、大阪。小学三年生の笑生子は、国民学校に通う女の子。働き者のお父やん、お母やん、気丈できっぱりした澄恵美姉やん、心優しい成年兄やん、あまえんぼうの弟・春男、そして、かわいい子犬のキラ…そんなあたたかい家族にかこまれた幸せな日常は、暗い戦争の影に侵されはじめていた―。著者の母親をモデルに、徹底した取材のもと、戦争の悲劇と家族のきずな、人間のたくましさをえがく、今こそ読んでほしい戦争児童文学!
著者等紹介
越水利江子[コシミズリエコ]
高知県で生まれ、京都府で育つ。『風のラヴソング』(岩崎書店)で芸術選奨新人賞、日本児童文学者協会新人賞を受賞。『あした、出会った少年花明かりの街で』(ポプラ社)で日本児童文芸家協会賞を受賞。児童文学にとどまらず、ファンタジー小説、時代小説、絵本、伝記、古典・名作の抄訳など幅広いジャンルで活躍している。季節風同人
牧野千穂[マキノチホ]
福岡県生まれ。ステーショナリーメーカーの商品企画デザイナーを経て画家となる。『魔法使いの弟子たち』(作 井上夢人/講談社)他で第40回講談社出版文化賞受賞、絵本『うきわねこ』(作 蜂飼耳/ブロンズ新社)で第59回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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