出版社内容情報
郵便配達員を主人公にした人気シリーズの第4弾。
内容説明
少し宛名が違っていても届けられれば届けたい。でも、さすがにこれは…宛先も差出人も不明のハガキ。だが、チラッと見えた文面に「思い」を察してしまった秋宏は、かすかな手掛かりをもとに謎の受取人を探し始める。心優しいポストマンが繰り広げる小さな奇蹟の物語。
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」でオール讀物新人賞を受賞。2008年、『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanegon69@凍結中
147
シリーズ第4巻。小野寺さんのこのシリーズは郵便屋さんの毎日を綴りながら、少しずつ人と人の関係が変化していく様を、まるで景色が変化していくかの様に穏やかに見ていられる。過去に登場した配達先の人々がそれぞれの時間を過ごして新しい方向へ進んでいく、なんとも心地よい。「幸せの公園」の章は実に小野寺さんらしく、盛り上がり過ぎるわけでもないけど静かにほんのり幸せを感じる終わり方でした。時は過ぎ、街は変化し、住む人も変わっていく。でもこの若者のように人間関係を大切にしていけば、心の眼で見れる景色はいつも穏やかなのだろう2020/05/17
初美マリン
129
サーと風か吹抜けていくもちろん爽やかな心地良い風、そんな小説2021/02/10
おしゃべりメガネ
123
シリーズ第4弾です。少しマンネリ気味感はあれど、ステキな人情ほっこり作品には変わらず、安心して読めます。過去作品から登場している人を忘れずにキャスティングするある種のこだわりが楽しみですらあります。「あの話に出てきたあの人がああなってるんだ」とか読み返すと感慨深くすらなります。子供とはいえ、考え方がしっかりと変わっていく姿にも成長を感じ、時の流れも味わえます。小路さんの人気シリーズ『東京バンドワゴン』にも似た作風なので、今後もゆっくりとでかまわないので続いてほしいですね。安定かつ安心の読書時間でした。2020/11/10
おしゃべりメガネ
121
シリーズ4作目です。う〜ん、どうしてこう次から次へとステキなお話ばかり思いつくのか、本当に不思議ですね。'みつばの郵便屋さん'こと「秋宏」の周りにも別れや出会いがあり、周囲の人々にも成長や変化があります。本作の魅力はそういうトキの流れをしっかりと書き綴ってくれているトコなんでしょうね。小野寺さんの作品はご自身の他の作品と微妙にリンクさせてくるトコがありますが、本作ではなんと運転教習所のあの方が登場してくれます。こういう繋がりを書くのも、なかなかステキですよね。誰も不幸にならないシリーズなのがいいトコです。2019/03/18
モルク
106
シリーズ第4弾。安定の一冊。新たに川田局長が就任するが、いい味を出している。秋宏と町の人々との交流がほほえましい。そしてみんな幸せに向かっている。秋宏もみつば郵便局も5年となりそろそろ異動かしら。副題から秋宏結婚かと思ったけど、次刊に持ち越しか。人との繋がりって大切だと思わされる作品である。2020/10/05