内容説明
極道あいてにさぎをはたらくなんぞ、きいたこともないで―。謎の男「アンポさん」と家出少年・太一が繰りひろげる奇想天外な詐欺事件。通天閣界隈の仲間たちの夢をかき立てながら、きわどい芝居を打つさぎ師たちに明日はあるか?伝説のピカレスクロマン、ついに文庫化!
著者等紹介
那須正幹[ナスマサモト]
1942年、広島に生まれる。島根農科大学林学科卒業。主な作品に、児童書の大ベストセラー「ズッコケ三人組」シリーズ全50巻(巖谷小波文芸賞)、『ジエンドオブザワールド』、「ヒロシマ」三部作(日本児童文学者協会賞)などがある。『さぎ師たちの空』で路傍の石文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J7(読メ低浮上中)
36
小学生の頃『ズッコケ三人組』シリーズにはまっていた時、同作者の本を色々読み漁っていたのだけど、これだけは何回か挫折して読み切れなかった思い出がある。この歳になり再会して初めて読了した結果、その理由がわかった気がした。児童小説のレーベルだったけど裏社会に生きるさぎ師たちの悲喜劇こもごも描くなんて那須正幹という作家はやはりただ者じゃない。かつての自分には少し背伸びした内容だったのだな。あのころ那須小説は社会にはこういう世界もあるんだよ、人間ってこんなもんだよって、世の中の入り口を見せてくれてもいたのである。2018/03/27
モリータ
6
◆初出は児童文学の同人誌『亜空間』1986年11月~1991年11月の連載、単行本は92年ポプラ社刊、文庫版(本書)2017年ポプラ文庫刊。◆Twitterで小泉悠氏がおすすめしていたのをブックオフで拾う。◆那須正幹(1942~2021)。『ズッコケ三人組』、『ズッコケ中年三人組』もまた読みたい。2023/07/09
ひまわり
6
昭和の匂いがぷんぷん。話の舞台が大阪というのがよかったです。懐かしい感覚…。2021/02/28
zanta
6
45/1/31/2018 出奔するまでの太一と大阪での太一が別人のようで。ちょっと許せないなぁという気がする。でもまぁアンポさんのことは憎めないし。さぎ師は私には出来ない仕事の一つだ。頭が良く口が巧く、マメでないとできない。なかなか楽しい時間だった。2018/01/31
2Tone
4
表紙が最近読んだ本のイラストレーターと同じだったので、何か同じ作家ではと勘違いしそうです。詐欺師の話なのですが、学生運動からの体験からきた思想と、任侠道とかもあって、アンポさんと家出の少年、太一を中心に楽しく読みました。2018/06/13