内容説明
いろいろな性と向きあうインタビュー。性のありかたは人それぞれ。生きかたも人それぞれ。家族とのかかわりかたも人それぞれ。さまざまなセクシュアリティを知るための、導入編。
目次
特別授業 いろいろな性ってなんだろう?(性にはいろいろある;いろんな「心」と「体」と「好き」;いろんな人にあってみよう;いろいろな性の名前;自分らしさってなんだろう?)
インタビュー 性と向きあう人たち:12人のインタビュー(病院では、自動的に女としてあつかわれました;いろいろな性を手話で表現したい;ドイツにも偏見はあったけど…;「当たり前」「ふつう」ってなんだろう?;心を開いたら見える世界が変わりました;ずっと男として生きてきたけれど、これからは「おばさん」になる;いろんな家族のカタチがあるんです;複雑な人生だけど、わたしたちは自然体の親子です)
著者等紹介
渡辺大輔[ワタナベダイスケ]
埼玉大学基盤教育研究センター准教授。東京都立大学大学院博士課程単位取得満期退学。博士(教育学)。主要研究テーマは、ジェンダー/セクシュアリティ教育、セクシュアルマイノリティ支援。講義、講演、執筆、授業づくりなどを通して、性の多様性について、学校でどのように教えたらよいかなどの情報を発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
33
性を教える大切さを信じている自分ですが、教育と同時にサポートの在り方を最近考えさせられています。去年アメリカ人の友人が久しぶりに来日。彼女の16歳の第一子がホルモン治療を受け、より理想の体になるため乳房とゆくゆくは子宮の摘出手術を考えていることを知りました。私個人は今まで「本人がしたいなら」というスタンスでしたが、非常に混乱している10代の子どもたちがジェンダーを自分で定義し、さらに変化する体に混乱している姿が痛々しく、支援することだけが正しいのか悩んでいます。2024/03/06
ヒラP@ehon.gohon
21
ジェンダーに関する意識づくりに、真っ向から取り組んだ本だと感じました。 なかなか理解しづらい、性マイノリティーとして生きる人たちのナマの声を繰り広げながら、性差に関する先入観や偏見を解していく強さを感じました。 認めあうこと、理解し合うことの大切さを感じました。2024/01/07
ヒラP@ehon.gohon
13
再読。 わかったような気になった自分と、今までの当たり前がそうではないと感じたときの心許なさを、改めて感じました。2024/06/29
ツキノ
9
小学校中学年以上に向けて書かれた「いろいろな性」についての解説。なにより当事者が答えているのがいい。最初にある、小学生5年生が登場する漫画に引き付けられる。2016/09/05
スターライト
7
「性」には、心の性、体の性、好きになる性それぞれがどうなのかによって分かれ、多様であることを初めて知った。とりわけ、好きになる性という見方が存在する点が。しかし、テレビでいわゆるおねえタレントは毎日のように目にしても、身近な存在としては知らないので、自分にはあまりかかわりはないと思っていた。本書によれば約10人に一人がセクシャルマイノリティとのことなので、インタビューにあるように社会的な偏見からカミングアウトできないのだろう。法律はあっても人の偏見は消えないというドイツの事情に、問題の深刻さが現れている。2017/09/11