出版社内容情報
福井藩士の由利公正は、藩の財政再建に尽力する。その後、坂本龍馬に後事を託された明治政府で、『五箇条の御誓文』に携わる!!
目次
第1章 馬威し
第2章 財政再建
第3章 挙藩上洛計画
第4章 五箇条の御誓文
第5章 維新の陰で
由利公正を知るための基礎知識
著者等紹介
加来耕三[カクコウゾウ]
歴史家・作家。1958年、大阪府大阪市生まれ。1981年、奈良大学文学部史学科卒業。テレビ・ラジオ番組の監修・出演も行う
井手窪剛[イデクボゴウ]
歴史研究家。1972年、愛媛県久万高原町生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)デンマーク・スウェーデン語学科卒業後、歴史書籍の企画・編集を経て、(株)加来耕三事務所に入社。編集実務に携わりながら、自らの著作活動、講演、テレビ出演も行っている
中島健志[ナカシマタケシ]
福岡県福岡市生まれ。九州産業大学卒業。1988年、『コミックアフタヌーン3月号』(講談社)にて漫画家デビュー。2011年より(株)クエスティオの役員を務める傍ら、児童向け科学実験集のイラストなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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クサバナリスト
8
NHK『知恵泉』で由利公正が取り上げられたので、興味を持ち、本書を読んだ。伝記小説のようなものを探していたところ、漫画でお手頃な本書を見つけた。どんなことをやった人物なのかを簡単に分かるには丁度良かった。銀座の街並みの基礎を作った人でもあった。2016/03/12
Teruhisa Takii
2
五箇条のご誓文の原案起草者2019/09/05
孔明
1
幕末の福井藩士・三岡八郎こと由利公正の伝記漫画。 五箇条のご誓文を起草した人物として日本史上に名を遺した人物であるが、彼は主君である越前藩主・松平春嶽の下で破綻しかかっていた藩財政の改革に着手していた。時代は幕末に大きく舵を切っており、ペリー来航以来政局は波乱を極めた。14代将軍の座を一橋慶喜を推す一派に名を連ねていた主君・春嶽。福井藩には橋本左内という俊才がおり、熊本藩から横井小楠を講師に迎えて藩士の教育もしていた。2024/12/31
ビシャカナ
1
五箇条の御誓文の草案や、太政官札発行など、明治政府で文官として活躍しながらも、若い頃は血気盛んな武人肌だった由利公正。それが砲術から兵站、火薬生産、そして福井藩の財政建て直しと徐々に財務方として目覚めていき、福井領内の貧しい庶民、活気ある江戸の街や各地の港を視察して見聞を広めて、公共のこと庶民のことを考える近代国家の日本人の初めの一人となる。歴史が少し変わっていれば福井藩が新政府の中心となり、由利公正の公共の精神もさらに実現されていたかもしれない。2021/02/06
すけよし
1
与えられた職務のみにこだわることなく庶民と交わり、自分がやりたいと思ったことを真っ直ぐ進めようとする行動力が横井小楠や坂本龍馬に認められた理由であり、一方で藩や政府から厭まれた原因にもなったのだろう。 由利公正の書いた五箇条の御誓文の草案と、実際に奉読されたものを比べると、万機公論や世界に知識を求めることなどは共通している。一方で、庶民の意見を反映させることや役人の任期を決めることについては変更されてしまっているようである。ここに由利公正と新政府との考え方の相違を知ることができ、面白かった。2019/08/20