内容説明
かけがえのない明日が、遙かな思い出の空から聞こえてくる。ひとり胸に秘めた記憶を包みなおしてくれるお店、「コンビニたそがれ堂」。心に灯がともる、人と時間の不思議な物語。
著者等紹介
村山早紀[ムラヤマサキ]
1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
136
密かな人気ファンタジー「コンビニたそがれ堂」。今までに出版された4冊の中からと書きおろしを加えたベストセレクション。装丁も豪華でセンスいい宝箱のような一冊。どれもはらりと泣けるが、私は「天使の絵本」が好き。2015/08/02
美登利
93
タイトルどおりコンビニたそがれ堂シリーズからのより抜きのお話。これまでの文庫本は読んでいるので、書き下ろしのものだけ読みました。最近戦後すぐの話の本を読むことが増えて、戦時中よりもとても苦しい生活があり親を亡くした子どもたちの悲惨さを知りました。そんな中でも物語のように、荒んだ気持ちを脱ぎ捨て、奮い立たせてやってきてくれた人たちのおかげで、日本が立ち直っていったのだなと強く思うようになりました。今の時代も子どもたちに読書をする幸せが叶いますように。これからも風早の物語が続きますように。装丁が美しい1冊。2017/01/22
Rosemary*
72
心の底から欲した大事な探し物がある人だけがたどり着くお店コンビニたそがれ堂。不思議な魔法により探し物がかならずみつかるという。そのシリーズから選りすぐりの5編。どのお話も優しくて、心に寄り添うように温かく、誰かの道を照らすような小さな灯りを感じました。最後の創作メモよ良かったし、何より装丁が素敵です。偶然図書館で出会えて嬉しい一冊。2016/05/08
あじ
70
木漏れ日の暖かさに、目を細める微睡みの午後に。心細い一人きりの嵐の真夜中に。添い寝をして欲しいそんな物語。想い人がある事で、人は前を向いて歩いて行ける。その行く手に「コンビニたそがれ堂」があったなら、立ち寄ってみて。この世に存在する全ての物が、陳列棚に並んでいるんだって。今一番あなたが欲しているもの、それはすぐ目の前の棚にちょこんと鎮座していますよ。ご縁がありますように。2015/09/10
ぶんこ
69
大好きな「あんず」が最初に収録されており、表題の(セレクション)の意味が遅まきながら分かりました。 既読の作品でも、何度読んでも良いものは良い。 そこに新たな書き下ろし「天使の絵本」も良かったです。 戦災孤児の三太郎とお嬢様の薔子ちゃんのクリスマスイヴの出逢い。 架空の絵本を読んであげた場面には、人の持っている潜在的な能力を思い浮かべました。 コンビニ店主の風早太郎の物語と、挿絵の名倉さんがキムタクをイメージされたと書かれており、キムタクのファンでは無いのですが、京都で修業している姿を想像。2015/10/11