ポプラ文庫
卵町

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  • サイズ 文庫判/ページ数 185p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591137727
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

亡くなった母の願いを叶えるため、サナはかつて彼女が過ごしたという卵町を訪れる――やさしい涙があふれる再生の物語。

サナは、亡くなった母の願いを叶えるため、かつて彼女が過ごしたという卵町を訪れる。卵町は、とても静かで、とてもやさしい、特別な場所だった。サナは、そこで彫刻家のエイキ、妻を亡くしたクウさん、元看護師のタマキさん、そして母にとって特別な存在であったシイナと出会う。そして、想像もしなかった、母の秘密を知ることになり――。心温まる感動作が、いきなり文庫で登場です!

内容説明

サナは、亡くなった母の願いを叶えるため、かつて彼女が過ごしたという卵町を訪れる。卵町は、とても静かで、とてもやさしい、特別な場所だった。サナは、そこで、想像もしなかった、母の秘密を知ることになり―大切なひとに会いたくなる、心に響くやさしい物語。

著者等紹介

栗田有起[クリタユキ]
1972年、長崎県生まれ。2002年『ハミザベス』ですばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

83
電車に揺られて3時間のはずなのに…卵町はとてつもなく遠い世界のような何か外界から守られている不思議な場所だった気がする。自分の知らない一面を持つ母。知ることが怖いような…義務のような…不思議な気持ちだったと思う。心が固くなっていたものが柔らかく揉みほぐされるようにほどけていくのは、こころを縛っていたものがとけたからかも。卵町は別世界。人の秘密をずーっと守ってくれる不思議な町。三回も不思議とつぶやいてしまうほど不思議な展開の物語。そのプルンとした世界観が気に入った。2014/08/12

tokotoko

75
いろんな思いを抱えて生きてる人と、亡くなった人が共に生きる特別な町~卵町。かつてそこで暮らしていたお母さんは、亡くなる前、サナちゃんに「自分が死んだらある人に知らせてほしい」と言います。サナちゃんは、その人に会うため、卵町へと足を踏み入れて行きます・・・。サナちゃん自身の変化や、サナちゃんが来たことで、卵町に起きた小さな変化を見つけて、ゆっくり味わっていくのも楽しいです。お母さんとの関係で悩んでる方は、卵町でヒントが待ってるかもしれません。ただそばにいればいいんだ、ってこともね、教えてくれる町だったよ!2015/01/25

ぶんこ

57
町全体がホスピスのようで、良いのか悪いのか微妙な読後感でした。 毎日曇り空、全てが灰色、美味しいお店の一つもなく、人通りもあまり無い。 そこに現れたサナさんの、覇気の無い姿。 カツを入れたくなる私って? エイキさんが明るくて元気で、大食いで、養護施設育ちを隠しもせず、とっても素敵でした。 私がホスピスにお世話になるような事になったら、エイキさんのような人達に囲まれたい。 サナさんにも、サナさんのお母さんにも共感出来ませんでした。 町にも病室にも、明るい色と美味しい物、美味しそうな匂いを満たして欲しい。2014/09/09

むぎじる

54
母は最期に、誰にも内緒で卵町へ行って、シイナという人物を探してほしい、という願いをサナに託した。サナと母は、特別仲の良い親子ではなかった。シイナを探しながら耳にする若かりし母の思い出は、サナの知らない母の人となりを教えてくれた。距離を置いて考えても難しい関係はあるけれど、「死」という途方もない距離を置かないように考えたいな、としみじみ思う。ホスピスを抱えた死に近い町というイメージのある卵町にいながら、知り合った人々によってサナは少しずつ再生しているような気がした。2014/05/13

はる

51
読友さんの御感想から。静かで暖かい。自分のいる世界と少しだけ違う世界。夢を見たような、そんな読後感。綴られるひとつひとつの言葉が不思議な魅力を創りだしています。2014/04/12

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