出版社内容情報
やさしく慈愛に満ちた詩の世界を、みすゞさんゆかりの地の風景写真とあわせて選りすぐって紹介し、短くもひたむきに生きた26年の生涯をたどる。生誕120年を記念した愛蔵版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itokake
12
みすゞの詩も好きだが、内なる激しさと時代に翻弄された悲しさを考える。離婚した夫が幼い娘を取り上げようとした。あの男のところでは娘の心は育たない、と死をもって抗議。だが、命を懸けて手に入れた娘の世界に、みすゞは長い間存在しなかった。そしていつしか世間からも忘れられた。遺稿集を託された西條八十は何をしていたんだと問い詰めたい。廃棄だろうが紛失だろうが、そこに男の暗い嫉妬はなかったのか。矢崎節夫氏が執念でみすゞを探し続け、ようやくみすゞの弟と繋がり、彼が持っていた遺稿集をもとに全集出版。2023/09/08
スローリーダー
4
仙崎の海の近くに生まれ、豊かな自然にはぐくまれ、早くに父親を失い弟と別れるなど多感な幼少時代を過ごして、繊細な優しい心が彼女の中に宿った。彼女の慈しみ深い眼差しが数々の哀しくも美しい詩を生み、時代を超えて日本人の心を捉える。七五調で歌いやすく覚えやすい。詩なのか童謡なのか曖昧なところを活かして曲を付けて愛唱出来れば素敵だ。2024/04/03
NAGISAN
1
金子みすゞを知ったのは、ACジャパンのCMだったと思う。心が洗われる詩が朗読者によって流れ、余韻が残る言葉が波のように何度も打ち寄せてくる。以来、金子みすゞの詩集は書架の目立つ場所に並んでいる。本書は金子みすゞの詩に感動し、執念で発掘された矢崎節夫氏監修による。西城八十の期待を受け、北原白秋などとスタートラインに並び、女性としては与謝野晶子と二人とのこと。不幸な結婚生活を送った一般女性として、ここまで感性を磨かれたのは驚くべきことだし、西城八十も偉いと思う。28歳での自死を悼みます。2024/03/10
kaz
1
詩のあたたかさに写真がマッチしていて、嬉しい。図書館の内容紹介は『やさしく慈愛に満ちた金子みすゞの詩の世界を、ゆかりの地の風景写真とあわせて選りすぐって紹介するとともに、短くもひたむきに生きた26年の生涯をたどる。石井ふく子らのエッセイ、娘・上村ふさえのインタビュー等も収録』。 2024/02/21
skr-shower
1
ブックカフェ。2023/06/05