出版社内容情報
チェルノブイリ原発事故。見えない放射能に苦しむこどもたちを救いたい! 現地でたたかう医師がみた、今こそ伝えたい奇跡の物語。
内容説明
とおいくに、ベラルーシでおきた、ほんとうのはなし。白い雪の街で、びょうきのこどものために、パイナップルをさがすニッポン人が、あったかな連鎖をおこした。つめたい雪があったかい雪にかわる。奇跡の物語です。
著者等紹介
鎌田實[カマタミノル]
1948年東京都生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。1974年に長野県の諏訪中央病院に赴任。1988年に同病院院長に就任。2005年より同病院名誉院長。一貫して住民と共に作る医療を実践。2006年読売国際協力賞受賞。2011年日本放送協会放送文化賞受賞
小林豊[コバヤシユタカ]
1946年東京都生まれ。日本画家。立教大学社会学部卒業後、イギリス留学中に画家を目指す。1979年日展初出品で入選。1983年上野の森美術館特別優秀賞受賞。『せかいいちうつくしいぼくの村』で第43回産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞、『クラウディアのいのり』(村尾靖子・文)で第14回日本絵本賞読者賞受賞、また『ぼくの村にサーカスがきた』が第43回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選定された(すべてポプラ社)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
88
図書館本。ほうれんそうはないているに紹介されて借りてきた。 黒い雨とあったかい雪の対比がナイス。イマドキの日本人の若者もルフィー強盗団なんかやらずに困っている誰かのために走り回るくらいのことをすればいいのに…。なんて考えさせられました。 後去年だったかな?再放送されたプロジェクトXの甲状腺手術の話もベラルーシだったなと思い出す。2023/09/02
ちえ
43
チェルノブイリ原子力発電所事故で放射能は風に乗って世界中に広がった。隣国ベラルーシでは子供たちが甲状腺がんになり、鎌田医師は医療団として現地へ行った。そこで出会ったアンドレイ君の実話。「…わたしたちはひとつでした。しろいゆきのなか、むすこのために、パイナップルをさがしてくれた にっぽんじんがいたことを、ぜったいにわすれません」2021/04/10
空猫
23
【3.11関連】医師の鎌田氏がチェルノブイリ原発の事故後、10才の少年の治療に当たった際の、実際にあった事を元にしたお話。あの時散歩に出なければという母の後悔。パイナップル一缶が買えない場所。探し回る看護婦。届けられた善意。最後の写真が何とも悲しい。2021/03/11
Cinejazz
20
〝1986年4月26日、お隣の国ウクライナのチェルノブイリで、原子力発電所が爆発しました。黒い雨が降り、放射能で大地は汚れました...ベラル-シでは、人が住めない地域が広がりました。病気の子どもたちが、どんどん増えました...事故から10年後、アンドレイも重い病気になり、辛い治療を受けていました。何も食べられず、髪の毛は全部抜けました...アンドレイが食べたがっているパイナップルを、雪の中、毎日毎日、探し歩いてくれた日本人がいたことを、私たち家族は絶対に忘れません・・・〟「子どもたちを助けて↓2024/01/27
剛腕伝説
20
【雪とパイナップル】の子供向け改訂版絵本。 泣いてしまった。チェルノブイリ原発事故は隣国のベラルーシの人々をも苦しめた。特にこども達を。放射能で汚れた草を食べた牛のミルクを飲んだこども達が6000人以上、甲状腺癌になった。現地で医療支援をおこなった鎌田實さん。白血病のアンドレイ少年がパイナップルを食べたがってるのを聞いて、-20℃の雪の中、毎日パイナップルを探し続けた看護師のヤヨイさん。結局少年は白血病が再発して14才で亡くなってしまったが、優しい心の連鎖は今も生き続ける。アンドレイ君、安らかに。2021/09/20