ポプラ文庫
わたしのノーマジーン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 305p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591134962
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

終末論が囁かれる荒廃した世界―孤独に生きるシズカの前に現れたのは言葉を話す不思議なサルだった。シズカを支えるためにやって来たという彼の名は、ノーマジーン。しかしその愛くるしい姿には、ある秘密が隠されていた。壊れかけた日常で見える本当に大切なものとは。

著者等紹介

初野晴[ハツノセイ]
1973年生まれ。02年に『水の時計』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむー

78
辛い過去を背負う孤独な鞄職人・シズカ、言葉を話す赤毛の猿・ノーマジーン。不穏なものを漂わせながらも少しづつ積み重なってゆくふたり(?)の関係が突き崩される第二部があまりに悲痛でやるせない。それでもエピローグで彼女が絞り出した選択は互いにとっての救いになるのだろう。たとえ世界の終末まで残された日々が僅かだったとしても、彼を許すことで彼女もまた許されているのだから。全体にアンバランスなのでもどかしくもありながら、何かが残る独特な作品ですよ。『よくできました』2018/02/25

まろんぱぱ♪ 

52
初野晴ファン、この本の評価の高い方には申し訳ない、ノーマジーンには最後まで共感できず、奇妙な読後感に苛まれています。これは3・11の後の作品であること、世紀末な雰囲気に包まれていた、あの震災の後の雰囲気を感じながら読んでいました。第一部が長いのか、二部、三部が駆け足なのか。うーん(-_-;)読んで、ほっこりとか、楽しい気分になる話ではなかった。何か、やりきれない思いでいっぱいです。救わられなさ加減が、半端なくて。あとノーマジーンは、表紙の赤毛の猿の絵のイメージじゃなかった、チンパンジーなイメージでした。2016/01/06

アイゼナハ@灯れ松明の火

47
終末の世を独りで生きる,車椅子の鞄職人のシズカ。彼女のもとに,抽籤で当った介護ロボットの代りに,喋る赤毛の子ザルが訪れるところから物語は始まる…思ってたよりもシズカが儚げな感じがしないのですが(笑)介護してくれるはずのサルの世話に追われながら,徐々に色づいていく彼女の世界が愛おしくなる。暗い世の中,自分に様々な理不尽を強いる世界であっても,交わりを絶ってしまえば辛くない…はずだった。それでも季節は巡りくる。運命の悪戯に弄ばれているのかも知れない。だとしても,二人寄り添う温もりに嘘はない,よね。2013/06/06

ソラ

43
雰囲気から言ってふんわりとしたファンタジーかと思いきや、話が進むにつれてなんとも絶望的な空気をまとっていることよと思ってしまった。最後のひとことで救われた感はあるけど切ない2013/09/01

きっしぃ

41
足の不自由なシズカの元に突然やって来たしゃべるサル、ノーマジーン。終末世界で孤独に生きるシズカが、役立たずだけど愛らしいノーマジーンと過ごす何気ない日々。微笑ましい一部から、急転直下の展開な二部。現実はなんて残酷なんだろう。最後に出したシズカの答えに、なみだなみだ…?初野作品は「1/2の騎士」もすごくよかったけど、こちらも同じくらい好きになった。ハルチカばっかり有名だけど、この本も沢山の人に知ってほしい。2018/03/02

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