出版社内容情報
葉崎市の個性豊かな面々と、一見不運(?)な17歳のココロちゃんが織りなす、“究極の不幸せ巡り”ストーリー。
内容説明
葉崎FMで放送される「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が人気のコーナー。そこに届いた一通の投書。「聞いてください、わたしの友だち、こんなにも不幸なんです…」。海辺の田舎町・葉崎市を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、どんなことにもめげない17歳のココロちゃんと、彼女を見守る女子高生ペンペン草ちゃん、周囲の人々が繰り広げる、泣き笑い必至の極上エンタテイメント。
著者等紹介
若竹七海[ワカタケナナミ]
1963年東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。91年『ぼくのミステリな日常』でデビュー。日常の延長で事件が起こる“コージー・ミステリ”の旗手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
86
最初は「日常の謎」系のストーリーに見えて、読み進めていくうちに、その異様さに気づいてしまい、一体これは何なのかと、途中で止められなくなった。「めげないココロちゃん」とはあるものの、彼女の正体が、本当は人間ではないのではないか、と思わせるような進行になっていく。巻き込まれる「ペンペン草ちゃん」にしても、このままだと彼女自身が危ない、と、はらはらしてしまう。それなのに話はユーモアたっぷりに、笑いの要素をたっぷりまき散らしながら進む。不思議な不思議な連作長編。はたしてこれはミステリか?2014/11/22
papako
74
葉崎シリーズ再読はこちら。こんなだったのか?葉崎FMの番組放送で進むっていうのは覚えていたし、もっとしっかり覚えているかと思ったら、ダメでした。そっかぁ、こんなにいろんな要素がからめられたお話だったんですね。葉崎FMのパーソナリティもアゼリアの時の千秋さんとは違い、FM創設15年、港大先生の家の半壊、そのあたりから時系列は推察できるけど、なんか細かく考えるの面倒で、単品で楽しみました。ほんと、ココロちゃんは疫病神か台風の目か。さてさて自分的には葉崎シリーズのあの本を読んで新作を待ちますよ!2021/08/12
ひめありす@灯れ松明の火
67
葉崎という地名が某御用邸のある神奈川県の南の方の場所をイメージさせたのでそのあたりのイメージで読みました。『みんなのふこう』というちょっとブラックジョークの効いたラジオ番組を舞台にした、天然系不幸体質少女(しかもその巻き込み方といえば、某名探偵さん達に負けず劣らず)のココロちゃんのお話。マイペースで他人の事も自分の事も省みないココロちゃんはお話の中で読めば愛らしい登場人物だけど、傍にいたらちょっと困ってしまう存在かもしれません。しかし、めげないなあココロちゃん。こういう子は意外に逞しく、生きてゆくのかも。2013/08/11
アーちゃん
52
2010年発行、2013年文庫化。葉崎市シリーズ6作目。文月から翌年文月までの13か月を章立てにしたコージーミステリ。葉崎FMの人気コーナー「みんなの不幸」に届いたラジオネーム”ココロちゃんのぺんぺん草”からの投書で登場するココロちゃんの不幸が凄い。歩いては転び、ホームレスすれすれの物置で暮らし、果ては怪しい宗教に入り恩人に殺されかけ、警察と病院を何度行ったり来たりしたことか。またココロちゃんに関わる人間も巻き添えを食らうというのがミソ。角田港大先生や二村警部補、駒持警部補も登場。2025/05/28
ネムコ
42
「ふこう」という言葉にビビって永らく積読してましたが、読み始めたらイッキでした。「みんなのふこう」というのは、田舎の弱小ラジオ局の人気コーナーの名前。そこに女子高生から投稿が。「バイトで知り合ったとってもドジで不幸な“ココロ”ちゃんの話を聞いてください…」。天然ドジっ子の不運話かと思いきや、次々と事件に発展! こういういろんな視点から事件の全体像をあぶり出す手法はさすが若竹さん! 最後まで計算尽くされた構成の妙、堪能させていただきましたm(_ _)m2014/07/11
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