出版社内容情報
夏休みを港町で過ごすことになったカズヤ。月光と不思議な猫に導かれ彼が知った秘密とは? ユーモラスで爽やかなミステリー。『フリ
内容説明
小説家の父親とともに、夏休みを港町で過ごすことになったカズヤ。ひょんなことから、ミステリーマニアの同級生・ミツルと知り合い、町一番の資産家で偏屈な老婦人の遺産を巡る謎を追う羽目に。月の光と金色のピアスをした猫に導かれ、カズヤが知ることになった「秘密」とは?個性豊かな登場人物(と猫)が織りなす、ユーモラスで爽やかなひと夏のミステリー。書き下ろし短編「小早川ミツルと消しゴムの謎」を特別収録。
著者等紹介
松尾由美[マツオユミ]
1960年石川県生まれ。お茶の水女子大学卒業。91年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテスト入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
27
2013年最後の読書はこれ。父と訪ねた町で友だちになるカズヤとミツルの、短いけれど冒険にみちた体験を描く。大人の世界の事件に、どれだけ子どもが関われるか、ということを探ってみたようなミステリ。舞台となる海辺の町と夏の日のように、読後感もさわやかです。併録の短編はミツル自身の事件。続編の予告編を思わせますね。2013/12/31
タカギ
25
やや子ども向け。カズヤは母の仕事の都合で、小説家の父とともに田舎町でひと夏を過ごすことになる。そこで出会ったミツルというミステリ好きの少年と、資産家の老婦人が遺したという噂の宝探しを始める。町にはピアスをつけた猫が何匹かいて、不思議な存在感がある。現実と虚構の狭間の設定は、いつもの松尾由美。外連味はほとんどなくて、結構いい話だった。ミツルが主人公の書きおろし短編もかわいくて好き。2023/05/22
Penguin
22
小学校の和哉が夏休みに父と過ごした海辺の街。東京より、ちょっとだけ涼しくて、猫が沢山いる。 その中に、茶色い縞模様のトラ猫をみつけ、その猫が金色のピアスをしていたことが気になり、調べ始める。そんなとき、定食屋の息子で同い年のミツルから街の秘密を打ち明けられ… 街の秘密以外にも秘密が何個か隠されており、全体的に優しいお話だった。2012/06/15
coco夏ko10角
17
猫に惹かれて。ミステリー要素もファンタジーもあるけれど、それよりもある少年のひと夏のちょっとした冒険といった感じ。ミツルが読む本のチョイスがなかなか。2015/07/26
糸巻
16
小学五年生のカズヤが夏休みを過ごすことになった港町で、ミステリ好きな同級生のミツルと友達になる。ミツルから教えられた町のヒミツとそれに纏わる謎。二人の少年が謎解きに奔走するジュブナイル・ミステリ。不思議な野良猫フリッツが登場し、ファンタジー色が強くなる。それでもしっかり伏線が回収され、気持ちが良い。フリッツの頭の良さは少し出来過ぎにも感じるが、本編の後のミツルが主人公になった短編『小早川ミツルと消しゴムの謎』に出てくる猫のヒントになる仕草が良かった。ケンイチとの仲もうまくいきそうなラストが微笑ましい。2018/08/22