出版社内容情報
女性の地位が低かった明治時代に女性ならではの作品を発表し、人気作家になった一葉。女流文学者の先駆者として活躍した人生をくわし
内容説明
女性が学問を学ぶことが一般的でなかった明治時代、文学を愛した樋口一葉は、小説を書いて作家として生きていくことを選びます。そして、短い人生のなかで、すばらしい作品をのこしました。
目次
第1章 桜木の下で育つ
第2章 アシの葉の舟
第3章 ちりの中にて
第4章 水の上の奇跡
ためになる学習資料室(もっとよくわかる樋口一葉;樋口一葉の生きた時代;参考文献)
著者等紹介
山田せいこ[ヤマダセイコ]
漫画家・イラストレーター
野口碩[ノグチセキ]
1938年、東京生まれ。國學院大学文学部日本文学科卒業。國學院大学大学院で久松潜一氏、佐藤謙三氏などに師事。また、和田芳恵氏に「樋口一葉」について、師事を仰ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
38
娘さん、5000円札の人、というと親近感がわいたみたいです。たった24歳で亡くなってしまうわけですが、暮らしのために猛烈な勢いで書きつづけた彼女の姿は、なんか締め切りを抱えほかの生き方を知らない現代のマンガかさんのイメージと重なりました。でも、生み出したものが愛される幸せは何物にも代えがたいからなあ。2022/02/07
kaoriction@感想は気まぐれに
16
子ども向けコミック伝記とはいえ侮ってはいけない。ラスト、一葉の死後、くに が押入れを開けると原稿が雪崩れ出てくるシーンはコミックならではで迫力もあり感動的。少し涙が滲んだ。コミックの後には「ためになる学習資料室」があり、本当に(小学生には十分)「ためになる」資料と写真、年表もある。大人が読んでも十分に一葉を堪能できる一冊。「妥協していかなれば、自分のやりとげたいことは実現しません」と「この身をすてる覚悟があれば、世の中のことで恐ろしいことはありません」の妥協と覚悟という微妙な相反性が一葉をよく表している。2013/03/15
Shiroi Taiyo
13
樋口一葉(1872~1896)女性職業作家として有名になった人物。本を読むのが好きで、学業も優秀で、和歌の才能もあり。この時代、女性は家に入るという考えで進学はできなかったが「萩の舎」という歌塾に通う。二十歳になる前に兄、父を亡くした。樋口家には借金があり、生活は楽でなかった。そこで、小説を書いて家計の足しにしようと考え、小説家になると決意する。1891年、半井桃水(なからいとうすい)に指導を仰ぐ。1895年「たけくらべ」を連載開始。1896年一葉の名声が高まり、原稿の依頼もひっきりなしに。(続)2020/06/06
シチミ
6
明治の女性差別にめげずに本を書き続けた人。和歌の世界に惹かれるが周囲に反対される。父は理解者。しかし兄が死んで跡継ぎ(婿を迎えるか自分で家計を支えるか)の立場になる、さらに理解者である父が死ぬ。結局、小説を書くことで、家計を支えることと自分の世界を表現することの両方を実現しようとする。そして本を書きまくるが、体を壊して24歳の若さで死んでしまうという。すさまじい。2021/04/11
I.T
4
だいぶ前。