出版社内容情報
3・11以降、被災地で自衛隊は前代未聞のオペレーションに次々に取り組んだ。原発対応から被災者支援まで、「知られざる瞬間」に迫
内容説明
すべてが初めてのオペレーション―混乱と矛盾のなかで彼らはいかに苦悩し行動したか?原発事故対応から被災者支援まで「知られざる瞬間」に迫る。
目次
1 原子炉上空へ
2 混乱する現場
3 オペレーション・アクア
4 遺体と向き合う日々
5 原発3キロ圏内
6 郷土部隊として
7 段ボールとカタログと
著者等紹介
瀧野隆浩[タキノタカヒロ]
1960年、長崎県佐世保市生まれ。毎日新聞社会部編集委員。防衛大学校卒業後、毎日新聞社に入社、社会部記者として宮崎勤事件等を担当した後、「サンデー毎日」編集次長、本紙夕刊編集次長、前橋支局長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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to boy
27
防衛大出身の毎日新聞記者が記す東日本大震災時の自衛隊の活動の記録。自分が放射能にさらされる危険、家族が行方不明のまま、今まで見たことさえなかった遺体の運搬と洗浄などなど過酷な使命にも、隊員たちの「この時のために自分たちがいる」という使命感をもって活躍してくれた隊員たちに頭が下がります。そして、この活動が自衛隊自身を変えたこと、自衛隊を見る国内外の目を変えたことを素晴らしい文章で語ってくれました。自衛隊を嫌いな人にも読んでほしい一冊。2017/11/11
七月せら
18
様々な形で東日本大震災の人命救助・復興支援に携わった自衛隊の方々の、テレビには映らない苦悩や努力も描き出したドキュメンタリー、大変興味深かったです。活動に当たる隊員一人一人の姿勢や覚悟を通して、自衛隊というのがどのような組織なのか少し理解できた気がします。日本の一員として感謝です。2017/09/18
Humbaba
10
自衛隊というのは,非常に微妙な立場にいる存在である.しかし,近年その立場は少しずつではあるが好転しつつある.その理由は,自分の身を顧みず,社会のため,国のために働き続けたためである.普段は意識することはないが,本当に緊急の時には,平時に鍛えた能力を遺憾なく発揮し,国と,そこに住まう人々を救うために奔走してくれる.2012/06/02
saga
9
本書の幕は原発対応から開いた。読み始めた瞬間、何か違和感を感じた。それは、被災地での生存者救出・行方不明者捜索・遺体回収・瓦礫撤去に関する項目から始まるものだという先入観があったからだ。しかし読み進むうち、至極当然という感じに変っていった。原発対応が、自衛隊組織が動く必要性のあったことだと思えた。もちろん被災者支援の内容にも触れられており、特に自分の家族を二の次にせねばならなかった郷土部隊の話は身につまされた。著者は防衛大出身ということもあり、自衛隊の内側を理解した上での著作である点が良いと思う。2012/09/17
wearnotequal
6
読了。非常に興味深いドキュメンタリー。存在する自衛隊から機能する自衛隊へ。そして誰もやらない仕事を確実にこなす日本の最後の砦へ。彼らの勇気と行動力に感謝。2015/11/11