内容説明
「どう生きてゆこうか」と考えたり、「どう生きてゆくのが正しいのだろうか」と疑ったりするのは、人間が人間であるという証拠ともいえることなのです。
目次
コペル君とおじさん
へんな経験
勇ましい友
ニュートンのりんごと粉ミルク
貧しい友
ナポレオンと四人の少年
雪の日のできごと
石段の思い出
がいせん
すいせんの芽とガンダーラの仏像
春の朝
著者等紹介
吉野源三郎[ヨシノゲンザブロウ]
1899年東京・牛込に生まれる。東京大学哲学科卒業後、31年治安維持法事件関連で逮捕される。釈放後、35年から新潮社「日本少国民文庫」の編集に携わる。37年に「君たちはどう生きるか」を刊行。37年より岩波書店の編集業務にかかわり、敗戦後の45年に雑誌「世界」の初代編集長に就任し、その後65年まで務める。1981年82歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
100
まず1937年、日中戦争が始まり日本が戦争へまっしぐらに進んで行ったあの時代にこの本が出版されたことに驚く。私ももっと若く、瑞々しい感性に溢れた頃にこの本を読みたかった。読んだからと言って必ずしも正しい素晴らしい人間になれたとは限らない。でも何かにぶつかったり悩んだりした時にきっと指針になってくれただろう。でも今からでも遅くはない。自分に「どう生きるか」と問いかけながら生きてみよう。ポプラ社の矜持が素晴らしい。「若者が本を読まない国に未来はない」。本当に多くの若い人に読書の喜びを知ってほしい。2020/01/23
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
55
漫画ではない分考えさせられるが、自分で考える事ができる分、この書体が一番分かりやすい気がする。どうしても、内容が入らない場合は漫画を読み、より細かく知りたければポプラ社ではない文庫を読むとより良いと思う。そして、このタイトルを使って宮崎駿監督が作品を作るようだが、内容はどうなるのだろうか?(; ̄Д ̄)?2018/05/27
たち
35
人間として至極、真っ当な事が書いてある本です。今の自分が少しばかり情けなくなリました。それにしても、この本が、軍国主義に染まりつつある時代に書かれたとは驚きです。当時の子供達はこの本を読んで、どう思ってどう生きていったのでしょうか…。2018/08/20
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34
1935年軍国主義の勢力が日増しに勢いづいていく時代、言論の自由も著しい制限へ向かう中、自由主義の山本有三編纂『日本少国民文庫』16巻が順次配本。その根幹となる書籍が『君たちはどう生きるか』荒れ狂うファシズムの元でヒューマニズムの精神を守り伝えておかなければと考えて練りに練られた書籍。巻頭の吉野源三郎が少年少女に向けた手書きメッセージが大人の自分の心に響きます。2022/10/03
ナチュラ
29
この本は14歳の頃の自分に読ませたい。 中学一年生のコペル君というあだ名の少年と友人たちの よくありがちな日常の風景。 その中にある格差や世の中の仕組み、正義などを彼らの体験により学んでいく。 亡き父の代わりになってコペル君を陰で支えながら助言する叔父さんも素敵だ。 1937年(昭和12年)に出版された作品だが、今読んでも違和感なく新鮮だった。2017/01/21