内容説明
ときは文政。大塩平八郎、蜂起前―。若き大坂城代、教孝に拾われ、両親の仇討ちを悲願に城付きの“影”となった少女あや。ある医者殺しの黒幕を追ううちに十年前父母を罠に陥れた陰謀とこの殺人事件とを結ぶ、奇妙な接点に気がついて…。富に群がる役人や商人達、鬼面の男率いる謎の集団を相手に、運命に翻弄されながらも力強く自らの役目を果たしていく密偵あやの活躍を描いた、傑作時代ミステリ。
著者等紹介
築山桂[ツキヤマケイ]
京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はらぺこ
57
裏表紙に大塩平八郎の名前が出てたけど、ほんの少ししか登場しませんでした。大塩の乱を読めると期待してたので残念でした。続編が読みたいんですが、この後の話は今のところ無いようですね。これまた残念。 鬼面の男の正体が分かり歴史的背景(伝説?)を知ってからは興味を持ちました。2014/01/22
真理そら
18
再読。思いがけず左近シリーズの新刊が出たのを機に、左近が登場する作品の再読中。弓月、左近、赤穂屋の雰囲気が少し違うけれど大まかな雰囲気は他のシリーズと同じ。デビュー作とは思えない程の完成度。あやの淡い恋や、大阪城代大久保教孝の苦悩などがさらっと書かれているのにきちんと伝わるのがすばらしい、再読して良かった。2019/03/17
あかんべ
8
築山作品の原点?身分違いや、かなわぬ相手を思い一生懸命いきる女の姿をかかせたら逸品。権力構造のむなしさもあらわれていて、よみごたえあった。2015/02/24
光
2
在天別流が出ていると知り購入。時代物だけどミステリだしちょこっと恋愛ありだしで楽しく読ませていただきました。大阪に行きたくなる一冊。2020/03/16
かよ
2
内容が読み取り難く相関図も分かりにくいでも何故か引寄せられるそんな消化不良のまま終了 緒方洪庵浪華の事件簿読むとすっきりするでしょうか?2018/04/15